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2020年12月31日木曜日

2020年振り返りと、今後の発信について

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

この書き出しを使うのも久しぶりな気がします(笑) 最近はアゴラに掲載させていただくことも多く、ブログだけでの記事も少なかったですから…。

というわけで現在悩んでいるのは、検索順位の低下です!

なんでや! こんな良い書き手が週2ペースで1000文字近く書いてるん。検索順位上がるにきまってるやん!

と思うかもしれませんが、冷酷無比な恐怖のロボット・グーグルクローラーの判定によると、「アゴラの文章コピーしてる弱小サイト」ということのようです。

いや著者俺だから!!!

といっても、何人ものブロガーを絶望の淵に叩き落としてきた血も涙もないグーグルクローラーは表情一つ変えることなく刑を執行します。副業ライター稼業(←稼げてない)の世知辛さが身に沁みますな。


そういうことでSEOの改善策として、アゴラと被っている記事は特に思い入れの強いものを除いて削除してしまうつもりです。

過去記事はアゴラの著者アーカイブページに残るので、そちらからご確認ください。



そして検索順位を上げるために、ブログ独自記事を強化していきます。

これはアゴラやあたらしい党ややリバ通信のおかげ様ですが、ツイッターフォロワーも500人を超えたので、まぁまぁ自力での拡散ができるようになったかなと思うところもあります。

本業(歯医者)的には検索順位でさがってもグーグルマップで強いので、ありがたいことに客足に影響はないのですが、信頼できる歯科情報を発信するセルフメディアとして、このブログを育てたいと考えています。

以下、今後の発信計画。



1、ブログ週2更新ペースを堅持。更新は月曜・木曜とする。

2、ブログ限定での歯科記事を強化し、SEOの主力とする。論文に基づかない体験談、あるいは専門性が高く一般向けにそぐわないものを取り扱う。

3、一般向けメディアにて月1程度、論文をベースとした一般向け医療情報を発信する。「掲載のご報告」としてブログ1回分の更新とする。

4、適宜一般向けメディアにて公衆衛生観点・社会保障テーマにおける時事ネタ・政治ネタを投稿していく。これは随時行い、ブログ1回分の更新とする。

5、Youtubeはボチボチがんばる。



ということで今後の課題も見えてきたわけですが、なんだかんだ1年続けてきたこともあって、先日ようやくアドセンス引き落とし額に到達しましたー! やったー!

調べればわかると思いましがマヂはした金なので、景気よくウマイ飯食うか楽器買って使っちゃう予定です(笑)

2020年12月30日水曜日

維新のベーシックインカム案を読み解く。その1:論点整理

日本維新の会は参議院選後より税と社会保障と雇用の三位一体改革と題して、ベーシックインカムを用いたパッケージ政策の策定を進めてきました。そのアウトラインがついに、取りまとめ役である藤田文武衆議院議員により公表されました。


「説明が難しい」として動画は前後編の60分もあり、さらにマトメ版や、主婦向け版などの続編が企画されているようです。確かに個別政策の意図については詳細な説明が必要なので、ぜひ動画を参照していただきたいと思います。

ここではどのような方向性が示されたか抽出、整理することで、時間の無い方にも関心を持ち、社会保障に関する議論への参加を促したいと思います。


まず改革の意図として、貯蓄や内部留保による停滞から、将来への投資とチャレンジによる流動性に変えることで、経済成長政策・少子化対策・行政効率化を同時に達成する。そのためにフローからストックへの課税へ移行していくということでした。

これは今の利益を重視する自民党に対し、将来の利益を重視して制度により社会の変化を目指す、維新の独自色を出したいというものでした。

以下概算金額とともに項目別に整理していきます。解説は主に筆者。


1,ベーシックインカムとして全国民一律で6~7万円を毎月給付する。基礎年金・生活扶助・児童手当はBIに移行する。

(解説)
基礎年金:現行6.5万円。維新案では報酬比例部分は維持。現状年間10兆円程度の不足分を国庫から補填している。
報酬比例部分:いわゆる年金二階建て部分。年金を多く払ったほうが戻りも大きい、という部分。以前よりこの部分の切り離し、民営化に関する議論は行われている。
生活扶助:現行7万円。維新案では住宅扶助は別に支給する。
児童手当:現行1.5万円。維新案では少子化対策として、子供が多い方が得であると明確に打ち出すものとしている。


2,高齢者にはさらに一律2万円程度の上乗せをする。これはクローバック制度として、支給額のうち死後残った分のは国庫に返納する。

(解説)
クローバック制度:支給は一律であるが、年金の報酬比例部分が多い場合や、資産があればその分を死後に回収されることになる。早期贈与のインセンティブになるか。低所得かつ労働できない高齢者は支給分を使い切ることになるので返済不要で、単純に扶助となる。


3,医療・介護・障碍・教育などの現物支給サービスは本改革案には含めない

(解説)
使い込みや浪費対策として直接給付が向いているものもある。年金に並ぶ最大の国庫支出先である医療や、制度疲弊の目立つ教育に関する改革は必要だが、別に議論するということだろう。


4,フロー課税である消費税・所得税・法人税は減税。所得税は税額控除を廃止し、10%程度のフラットタックスとし、分離課税を廃止して総合課税とする。法人税は租税特別措置を廃止する。

(解説)
税額控除:現状は社会保険料は課税対象額から減じられている。税額控除を廃すると税は増えるが、その分はBIを課税対象とすることで相殺されるというコンセプト。制度の簡素化にはなるだろう。ただし、控除には生命保険・火災保険加入促進の側面もある。この部分は動画内では論じられなかった。扶養家族に対する基礎控除に関する言及もなし。
フラットタックス:現状は累進課税といって所得が上がるほど課税割合が増える。フラットタックスはこれを一律の割合にすることで簡素化する。動画内では示されなかったが、詳細な試算を示した上で賛否を論じたい。
分離課税・総合課税:所得の種類によって課税割合が変わるのが分離課税。一般的に累進課税より優遇されるため、富裕層は分離課税の意図に従って投資などが促進される。総合課税は所得の総額に対する課税で、簡素化につながる。
租税特別措置:多岐にわたる項目を含む膨大で複雑な制度。主に経済活動促進の上での税制上の優遇を目的に設定されているが、既に形骸化・既得権益化しているものもある。廃止によって増税にはなるが、税の簡素化と公平性は促進される。


5,ストック課税強化として、固定資産税を現行1.4% → 2%へ増税資産課税として1%程度を新設相続税や贈与税は縮小、あるいは廃止

(解説)
資産課税:維新案では所有コストを増加させることでフロー化を狙うということ。単に財源としてだけでなく、より利回りの高い資産運用にたいするインセンティブをつける。このことで資産価値自体もあがれば、資産家によっても得があると動画内では解説をしていた。1%の資産課税で36兆円の税収となる見通し。
相続税:現状2兆円の税収。捕捉が難しく、節税によって相続金の2~4%分の納税しかされていない。


全体として、年金再編・少子化対策・世代間格差是正の側面が強い案かと感じました。

維新の資産によるとBIを達成するには100兆円程度が必要であり、藤田氏は「財源を示さないまま声高にBIを訴えるのは無責任だ」と話しています。所得税のフラット課税・総合課税による増収、生活扶助・児童手当の予算2兆円、年金国庫負担分10兆円、資産課税36兆円などを財源にあてる考えのようです。

さらに、これはこれまでの給付付き税額控除に基づく議論をプランA、BIに基づく本案はプランBであり、今後も議論の中でブラッシュアップしていきたいと言っておりました。

藤田氏はツイッターで直接意見していいと懐の広さを示したので、何か改良案や、問題点があるようなら、ぜひ藤田文武氏にツイッターで直接意見を送っていただければと思います。


次回は既出の試算との比較や、各種金額の裏どりをしていき、批判的吟味をしていきたいと思います。

2020年12月26日土曜日

医療崩壊は医師の怠慢か(2) 緻密な連携と患者の期待

(承前)医療崩壊は医師の怠慢(1) 現場と経営者の乖離 

医療緊急事態宣言の原因は、医療体制の柔軟性の無さだと書きましたが、しかし実際にやろうとすると簡単ではありません。

24時間シフト体制を組み、それぞれの仕事を十分に理解したスタッフが、役割分担と密な連携をする。スタッフそれぞれは日頃よりコミュニケーションを深めていて、わずかなほころびが感染症対策全体の瓦解に繋がる。そういう現場です。

そこに頭数だけ揃えて看護師や医師が来ても困る、というのが正直なところだと思います。皆さんも自分たちの職場の連携体制が強固であればあるほど、一度に大勢の新人を押し付けられてもかえって職務に支障を来すという懸念を実感できるのではないかと思います。


しかし、上記は平時の医療体制であって、緊急時は感染症対策チームのスタッフがリーダーシップをとって体制を拡大し、落ち着いたら縮小する、ということをしなくてはなりません。

残念ながら緊急時に体制を拡大するという想定はこれまでされてきておらず、援軍の戦力化に関するノウハウは全くありません。今までは固定した人員の中で、より強固で厳密な体制を作っていくことだけを追求してきました。これが日本における医療崩壊の実体です。


その背景には2つあります。

1つは日本の人材流動化が乏しいこと。長期雇用関係におけるスキル醸成を前提にシステムが組まれ、一つ一つのオペレーションに対する要求度が高いことです。

私などのように地元のクリニック経営であれば、夕方に出勤する高校生のアルバイトを即戦力にするために常日頃から準備をしています。

しかし感染症病棟というのはもともと高いスキルをもった精鋭部隊なので、そこにどんな経歴かもわからない医師や看護師が来ても、任せて良い業務は極めて限定的だ、と感じることでしょう。

例えば今後パンデミックが起こった場合、病院等施設が離職中の看護職員を雇用しない理由として、「潜在看護職員の知識・技術の程度がわからない」を53.9%、「感染拡大下では教育・研修の 余裕がない」を46.9%があげています。

(参考)看護職員の新型コロナウイルス感染症対応に関する実態調査」 ー 日本看護協会(2020年12月22日)


もう1つは国民からの医師への期待です。

医療は完璧に遂行されて当たり前のもの。感染の漏洩などあってはならない不祥事で、そのような医療施設は廃業して当然、関わった医師はその汚名を永久に被るもの。

このように思われては、「新人を入れて手伝ってもらおう」という余裕はありません。世の中がセンシティブになっている新型コロナに関してはなおさらです。

医師もそれはよくわかっていて、「そのような医療を患者は望んでいるのか」と問い返してきます。

結果、精鋭部隊の孤軍奮闘が続き、それが医療緊急事態宣言に繋がった、ということは国民の側も認識しなくてはなりません。


以上2点踏まえた上で、医療体制の柔軟化は今後に備えて考え、制度化していく必要があるのではないでしょうか。

応援にきたボランティアに何をやらせるか、コアスタッフはどこに配置すればよいか。何人までのボランティア受け入れなら、医療クオリティを維持できるか。ボランティアが引き起こした医療事故の責任はだれがとるのか。

医院内のリスト作りだけでなく、法整備や、国民の理解も必要なテーマではないかと考えております。

医療崩壊は医師の怠慢か(1) 現場と経営者の乖離

医師会会長が「医療緊急事態宣言」をしたことに関して、医療に対する大きな批判が巻き起こっています。

これまでは医療問題に関しては厚労省が矢面に立ち、医師会にスポットライトが当たることはありませんでした。コロナ問題は半世紀以上誰も疑うことのなかった、国民皆保険制度に基づく手厚い医療制度に関する問題を浮き上がらせたのではないでしょうか。




これは既に様々なメディアから指摘されている通り、医療体制の柔軟性不足によるものですが、医師がサボタージュしているというという世論が形成されてしまうと、せっかくの医療改革の機運があらぬ方向に向かってしまうのではないかと危惧しています。

医師といっても勤務医・開業医・病院経営で見えている世界が違います。それぞれの事情と、どのようなボトルネックがあるかを解説していきたいと思います。


現場医師からたびたび聞こえてくるのは、「医師会の発信は医師の総意ではない」という距離感です。実際に医師会の加入率は6割程度で、医療最前線を担当している若手医師の加入率はさらに低くなっています。

医療の高度複雑化・大規模化に伴い2000年代には勤務医の医師会加入率も多くなってきていますが、医師会の発信は未だに開業医・病院経営寄りのものになっているようです。




だからといって医師会と勤務医は無関係だと言えるでしょうか。医師会は厚労省と独占的に交渉することができ、医療制度や診療報酬について強い交渉権を持っています。

殆どの医療政策を医師会はリードしており、その枠組みの中で勤務医をはじめとする全ての医師は活動しています。

確かに勤務医の肌感覚的には医師会とは無関係であり、むしろ自分たちをないがしろにしているとも感じる存在だと感じていても、事実として医師の活動は医師会と厚労省の関係の中で決まっていっています。

もし勤務医たちが医師会に対し不満や異論を持つのであれば、オンライン署名活動などで意思を表明する場もあるでしょう。確かに教授の怒りを買うと病院内での出世の目は立たれてしまいますが、もともと出世コースにいない勤務医も多く、病院をクビになったとしても医師免許があれば生活に困ることはありません。

勤務医が「医師会と自分たちは別物」と発信し、ただ現場は頑張っているという事実だけを主張することには、違和感を覚えます。

(続く)

2020年12月25日金曜日

冬休みのご案内

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

中田歯科医院は12月26日(土)を年内最終診療日とします。
27日(日)は大掃除(休診)、冬季休業は28日(月)~4日(月)までとします。

新年の診療は1月5日(火)から行います。

今年一年、皆様のご信頼に深く感謝申し上げます。
来年もスタッフ一同、安心して来られる歯科医院を目指し日々努めていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

2020年12月23日水曜日

こんなに誇らしい気持ちになったことはない

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

突然ですが今日は親バカのろけ話なので、勘弁してくださいという方はブラウザバックしましょう。


さて我が家の5才になる娘がいるのですが、彼女のメンタリティが私と非常によく似ていて困っていました。

正義感が強く、周囲に流されない。

友達がふざけていると「そんなことやっちゃだめ!」と声を上げて、場をしらけさせる。

うん。友達減るよね。

自分の子供の頃とおんなじことしてて、見ていて痛々しいというか

ほんと泣ける(;;)


そういうわけで、妙なとこ遺伝させてゴメンといたたまれなく思っていたのですが。



先日、子供たちの制服をかけるハンガーがバラバラになっていたそうです。

幼稚園の先生が「誰がやったのかな」と聞くと、みんな「自分じゃない」といいあいに。

…しばらくして、我が娘が手を挙げ

「それじゃあ皆で片付ければいいじゃない! 私やる」

といって、散らかったハンガーを片付け始めたそうです!

他の子どもたちも後に続き、皆で協力してハンガーはすぐに片付いた、と幼稚園の先生が話してくれました。



お父ちゃんは感動したよ!!

その日の我が娘はヒーローだったと思う。

後日話を聞くと、いくつかのハンガーが絡まっているのをみんなで引っ張り合った結果そうなってしまったようです。だれのせいでもない、ありがちな話です。


やっかいな性格を引き継がせて申し訳ないと思っていたら、娘は立派に成長していました。

娘から素晴らしいなクリスマスプレゼントをもらえたような気がします。


明日のクリスマスプレゼントはちょっと奮発ですね。メリークリスマス!

2020年12月17日木曜日

「入れ歯を作り直してほしい」って言われても…

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

しばしばあることとして「入れ歯を作り直してほしい」という訴えはいいのですが、その後に前の入れ歯に関してアレコレお伺いすることについて、煩わしいといった雰囲気になってしまうことがあります。

おそらく「新しい入れ歯を作るんだから、前の入れ歯のことは関係ないだろう」とお考えなのだろうと思います。

あるいは、歯医者に長く来なかったのを責められている、あるいは単純に使用している入れ歯をじっくり見られるのが恥ずかしい、はたまた全く使用していない入れ歯を見て何がわかるんだ、と感じるのもよくわかります。

その上でご理解いただきたいのは、何が原因で上手くいっていないかを知ることは、新しい入れ歯を作るうえで非常に重要な情報だということです。

使い古した入れ歯でも、使わなかった入れ歯でも、私の眼には情報の宝庫に見えています。それらを踏まえて、改善点を盛り込んだ入れ歯をデザインしていけば、情報ゼロ・徒手空拳で型採りするより、一段階上の治療ができると考えております。

2020年12月10日木曜日

Gotoと因果関係? マスコミと政治家にお願いしたい科学論文の読み方

問題視されている「野党合同ヒアリング」にて、Gotoトラベルと感染拡大に関する学術論文の解釈を巡る議論が巻き起こっています。これはマスコミの先行報道において東大からの研究というブランドパワーによって、Gotoとの関係ありきの論調が強まったのが発端だと感じます。

論文の肝心な部分を十分に把握していなかった厚労省官僚にも思うところはありますが、それ以上に論文を読んだにも関わらず著者の意図を理解しなかった立民党 原口一博議員には残念です。

今回著者も指摘し、注目の集まるLimitationに関して、専門知識抜きで理解できるよう解説したいと思います。


科学分野における学術論文は一定の書式で成り立っています。読み慣れると欲しい情報がどこに書いてあるかわかるので、効率的に情報収集ができます。

この中でLimitationは、Discussion(考察)部分にあります。考察の書き方を大枠でまとめると以下のようになります。

1、研究の新規性と必要性
2、実験内容の解釈
3、既存研究に対する論文の位置づけ
4、この論文の問題点と限界(Limitation
5、結論

この中で結論は論文のクライマックスとして、それらしい書き出しが必ずあります。

一方でLimitationに関して目立つ書き出しはありませんが、結論部分の直前に位置している場合が一般的です。

科学情報を集めるためには多くの論文を並列して比較する必要があり、個々の論文の精査はその次の段階です。時間に限りのある中で読む場合、考察の大部分を占める1と2よりも、コンパクトに論文の価値と限界(Limitation)がまとまっている3と4を読むのも有効な手段です。


普段私たち専門家がニュースで違和感のある情報が流れてきた場合、やはりLimitation部分を確認します。「マスコミは結論部分だけでなく、Limitation部分も言及してほしい」という意見はこれまで何度もあがってきました。

コロナ対策に追われて時間のない厚労省官僚も、とりあえず論文のLimitationは確認しておくと建設的な議論が進むかもしれません。

2020年11月29日日曜日

Youtuberが広告!? 「歯の脱色」ではないホワイトニングが拡大

歯科ホワイトニングにモラルハザードが起きつつあります。

一般的にホワイトニングとは、化学物質による歯の漂白によって本来の状態以上に白くすることを示します。しかし近年流行している歯科医師不在のホワイトニングエステや、薬液の販売のみのセルフホワイトニングにおいて、ホワイトニングの意味を拡大解釈した巧妙な宣伝広告が増えてきました。

これらの歯科医師不在で行われるホワイトニング、たとえばポリリン酸や、酸化チタンに対するLED光照射というのは、着色物質の分解のみの効果となります。確かに歯の漂白よりもダメージは少なく、ホワイトニングの広義の意味に含まれる行為ということもできます。

しかし着色物質の分解、つまり「歯の表面の汚れをおとす」処置であれば歯科医院での歯のクリーニングで同じ効果を得ることができ、その場合1日で完了し、保険外治療としても5000円以下が相場です。

一方で最近積極的な広告をしているセルフホワイトニング商品を用いて同様の効果を得るために必要な期間は2~4ヶ月で、7万円の費用がかかります。



この価格は歯科医院でのホワイトニングを意識しています。確かに20年ほど前は10万円程度が相場で、それと比較すると安価であると広告されることが多いです。

しかし簡易化と普及による一般化が進み、今は歯科医院でも概ね数万円程度で提供しています。歯科医院で「本来の歯以上に白くなる」狭義のホワイトニングを受けるほうが、むしろ安いかもしれません。

歯の漂白が可能な薬剤は過酸化水素あるいは過酸化尿素のみで、これらは薬機法にて医療機器か医薬品に該当し、歯科医師の監督下のみで使用することができます。

(参考)ホワイトニング ― テーマパーク8020(日本歯科医師会)

(参考)過酸化物を用いた歯面漂白材の取扱いについて ― 東京都福祉保健局(2002年2月6日)


つまり歯科医師不在でのホワイトニングエステやセルフホワイトニングは、一般的に歯科医院で提供しているものと全くの別物ということができます。

これはホワイトニングの言葉の意味・施術法・効果をまぜこぜにすることで、安く見えるようでかえって割高な商品なのかもしれません。

このような事を防止するためには、他の多くの薬剤で行われているとおり、薬機法によって薬剤と効果の表記を関連付け、過酸化水素あるいは過酸化尿素のみが「ホワイトニングもしくはブリーチング」を告知することが可能、と整理すれば解決します。

日本歯科医師会は歯科系議員と連携して迅速な対応をお願いしたいと思います。


もう一つの懸念が、このセルフホワイトニングの広告に有名Youtuberが関与していることです。

医療職ではないYoutuberが薬理効果や薬機法等に詳しくないだろうことは明らかなので、本人に悪気が無いものだろうとは思います。一方でその影響力や誘引効果はいまや絶大なものであるため、今後の発信や紹介に関して十分な注意を払っていただきたいと存じます。


(謝辞)本記事は歯科医師Youtuber ものくろマスク氏と論点整理した上で、著者の責任において執筆しました。

2020年11月20日金曜日

歯科界激震! 「コロナ予防」として未承認次亜塩素酸水を広告販売

本日昼頃、4名もの歯科医師が逮捕されるという衝撃的なニュースが流れました。

ペリオトリートとは成分としては次亜塩素酸水で、10年ほど前に流行したパーフェクトペリオの後継商品として2019年より同歯科医師らを中心に売り出されていたようです。

パーフェクトペリオに関しては歯周病学会から注意喚起のポジションペーパーが出されたことから下火になりましたが、業界で”水商売”と揶揄される同種の商品は後を絶たちません。


(関連)次亜塩素酸水を感染症対策にカウントしてはならない ― アゴラ拙稿(2020年5月31日)

容疑者らは1月頃より8500人に違法販売し、4500万円を売り上げたとみられています。本件に関しては6月にも行政指導を受けていますが、その後改善が見られなかったことを受けての逮捕だろうと考えられます。なお同歯科医師らは容疑を否認しています。

これにはTwitter 歯科アカウントからも多くの声が寄せられました。




このように”水商売”は多くの歯科医師から非常識なものとみられており、長年効果不明瞭の水を高額で販売する手法に対し、批判の声以上の厳しい視線が集まっていました

次亜塩素酸水は、多くの一般人がほんとに効果があるの?ないの?と惑わされています。

はっきりいって下の写真のような使い方では効果ないので、手指の消毒にはアルコール製剤を使いましょう。


次亜塩素酸水が活躍したのはノロウィルス対策で野菜を洗浄する場合で、生成器から源泉かけ流しの大量の次亜塩素酸水を水道水のごとくふんだんに流水として使用した、というものです。人体に対して使用する場合と条件がかけ離れているだけでなく、ボトル詰めされた商品の薬剤安定性に関しても大いに疑問です。

この機会に情報の非対称性を悪用した、不当に高額な”水商売”は根絶されると良いと考えております。

[Youtube] 歯医者の俺が根の治療は成功率100%ではない現実を話そう




2020年11月16日月曜日

[Youtube動画] 歯医者の俺が安い麦茶で着色した思い出を語る!


「安いお茶だと歯に着色しやすいってほんと?」とフォロワーから質問があったので、その回答です。

とりおろし動画!


2020年11月2日月曜日

「一度治した歯が痛い」歯の根の治療の成功率は

咬むと痛い、歯が腫れてしまったなどから始まる、歯の根の治療。「時間がかかる割に、何をされているのかよくわからない」というのが多くの人の率直な感想だと思います。

場合によっては非常に長い期間、多くの来院回数をかけているにもかかわらず、いつまでたっても治らないというケースもあるでしょう。

根の治療は多くの歯医者さんで一般的に行われている一方で、実は成功率に限界があり、突き詰めると高い専門性が必要な分野だというのはご存知でしょうか。

根管治療の成功率は8~10年予後のデータは、厚労省でも周知されています。

(参考)歯の神経の治療(根管治療) ― e-ヘルスネット(厚生労働省)

(厚労省eヘルスネットより引用)

1、根の治療の成功率は100%ではない


虫歯による痛みは歯の中にある歯髄という神経組織から発生します。歯髄を機能停止させれば歯の痛みはなくなるので、19世紀初頭にはヒ素を使ったり、熱した鉄線で焼いたりするという治療がされていたそうです。

ただそのままにしておくと歯髄が収まっていた根管という空洞で細菌が増えていきます。それが根の先端にあふれてくると、冒頭のような咬んだときの痛みや、腫れにつながっていきます。

そうならないように根管内を清潔な状態に保ち、細菌が侵入しないように天然ゴム製の薬剤でシーリングするというのが現在行われている治療法で、19世紀ごろから確立していったそうです。

ここで重要なのは、歯の根の治療の成功率は9割強であり、100%ではないということです。(1)(2)は初めて神経を取る治療を示しますが、それでも上手くいかないケースがあるというのは、歯の根が曲がっていたり、根管同士が融合して複雑な形態になっている場合があるからです。

一方(3)は根の外まで病巣が進行してしまったケースで、治療直後は問題なくとも約10年間での成功率は86%まで低下することが分かっています。

また(5)は一度神経をとった歯が、痛くて咬めなくなったり、腫れたりしたときの再治療の成功率です。この場合62%、他の文献をみても70%前後と、およそ3分の1で10年後までに再発があることがわかっています。



2、通常の治療で治らない場合の外科的アプローチ


ここまで見てきた外科処置を伴わない治療で治らない場合、外科治療を行う場合もあります。方法は歯肉を切開して根の先の病巣めがけて骨に穴をあけ、汚染されている根の先端を切断し、病巣とともに摘出するというものです。

ではその成功率はどの程度でしょう。よく専門家に引用されるシステマティックレビューはこちらです。

Setzer (2010) 従来法59% 改良法94%

もともと一般的な方法では治らない歯が外科手術となるので、その中から従来法で6割程度を治療できるというのは、臨床実感に沿う結果です。

一方改良法とは手術用顕微鏡や新しい充填剤を使用する方法ですが、9割以上というのはちょっと治りすぎのような気がします。文献を精査するとレビューに含めた研究の観察期間は6文献は1年、2文献が2年、1文献が5年で、観察期間としては短いことがわかりました。また5年観察した文献は症例数は多いですが、成功率95%というのは一部を抜き出した数値であり、研究全体での成功率は8割であったようです。

これでは情報が不十分なので、独自に従来法と改良法の成功率を長期観察した文献を医学論文検索エンジンPubMedで調べてみました。

Gagliani (2005) 5年後 従来法78%
von Arx (2014) 5年後 改良法93%
von Arx (2019) 10年後 改良法82%

以上から改良法が従来法に比べ高い成功率を示す傾向はあるらしいですが、5年以上の成功率に関する研究はわずかでした。今後さらなる研究報告が積み重ならないとはっきりしたことは言えませんが、先の表で示した非外科処置の10年後の成功率と比較するなら、10年で8割程度と考えるのが妥当でしょうか。



3、全てのケースで外科治療ができるわけではない


あたりまえの話ではありますが、非外科治療で治らないと判断した全ての歯に対し、改良法外科治療を行えば8割成功する、というものではありません。

非外科治療で治らないと判断し、そのまま外科治療を患者が希望せず抜歯する場合もありますし、外科治療を検討したものの成功の見込みなしと判断し抜歯する場合もあるでしょう。

外科治療に踏み切る判断が厳しく抜歯することが多ければ成功率があがるし、極力抜歯を避けて外科治療を試みれば成功率は下がります。どの程度の見込みで外科手術を実施するか、最終的には患者と歯科医師が相談して決めるので、これまでの同様の研究でも基準統一が難しい部分だと知られています。

とはいっても失敗が確実なのにあえて外科治療を行う歯科医師もいないので、これらの数値は一般的に外科治療が効果的だと判断し、実行したときの成功率だと読むべきではないかと考えております。



まとめ:根の治療は長くかかり、限界もある 


小さな虫歯の治療が1回か2回で終わらせられるのに対し、これらの根の治療は治療回数が多くなります。特に奥歯の場合は複雑なので、最低でも5回程度は必要となるのではないでしょうか。

大昔は痛んでしまったら抜くしかなかった歯を、数十年にわたり温存し機能させることができる方法として、根の治療は重要で手間暇のかけどころです。一方でここまで見てきたように、その成功率には限界があり、何度回数を重ねても治らないものは治りません。

その場合は抜歯が必要となり、失った歯は連結した被せ物やインプラントで補うこととなります。被せ物で治した場合の成功率に関しては以前まとめました。

(関連)その装置は何年もつ?歯科材料の寿命は?「クラウン」を例に ― アゴラ(2020年8月1日)

例えば、一本の抜歯であれば入れ歯になることはほとんどなく、保険適応可能なブリッジという違和感の少ない治療法で、10年間で90%以上の成功率が期待できることがわかっています。

これらを比較した上で、抜歯を避けるあまりに、際限なく根の治療を続けるということがなくなれば良いと思います。

2020年10月26日月曜日

生物学的幅径に関して抄読会が自然発生!?論文読みあいが流行る歯科クラスタ

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

いろんな意味で大反響の技工士会議からなんだかんだで相互フォローが進んだツイッター歯科クラスタ。

主催者の目論見通りかどうかはわかりませんが、歯医者と歯医者、技工士と技工士、技工士と歯医者のつながりはたしかに増えたように思います。

その中で盛り上がった議論を受けて生まれた記事がマウスピース矯正記事だったりアルツハイマー記事だったりするので、なにがどうつながるかは分かりませんね。



ところでこの歯科クラスターのメンバーがすごい…!その中で注目株は「カミソリ」の二つ名で呼ばれる、akinaさん。

野生のレビュー作成マシーンというべきすさまじいサーチ能力と、ことあるごとに「医療デマは一匹残らず駆逐してやる!」と進撃の巨人のエレンになりきってくれる、エビデンス・タカ派界のホープです。

発端は2級CRについて自作レビューに挑戦中のuniさん。

きになったらPubMedにきいてシステマティックレビューしちゃえばいいじゃん!というノリ。しかも複数項目仕立てのコクランが出すような立派なヤツ。 …それ論文投稿できますからっ!


これには辛抱たまらず私も参戦。補綴医のいう生理学的幅径って、意味がフンワリしすぎてるかと。かっこいい横文字つかってみたい的なやつじゃないの。


こんな風に論文で語り合えるのは良いことですね。自分のツイートは組織学的切り口だけどw

2020年10月12日月曜日

[Youtube] 歯医者の俺が専門医って意味あんのって話をするよ!


[アゴラ掲載] 歯医者でうまくいかないとき、どこで見てもらう!? ―歯科専門医制度

*タイトルはYoutube向けに煽っています。ご勘弁ください。

2020年10月7日水曜日

[アゴラ掲載] 玉木代表の歯みがきによる認知症予防は本当?

国民民主党 玉木代表は先日ツイートにて認知症予防に歯みがきが重要だという見解を示しました。このように口腔ケアに注目し、国民の口腔衛生習慣を喚起する声掛けは大変ありがたいものと感じます。

一方で根拠となった記事を紐解いてみると、研究結果に対して拡大解釈が大きいように感じられます。

(参考)認知症の原因物質 歯周病によって蓄積する仕組みを解明 ― 朝日新聞デジタル(2020年10月5日) https://www.asahi.com/articles/ASNB544G9NB5TIPE003.html


予防法はゴールがないため、特に公衆衛生として広く推奨する場合はエビデンスによる裏付けが必要です。不確かなまま何でも推奨するとなると、予防法は無制限に拡大し、本当に必要な予防法が疎かになったり、時間やお金を無駄遣いする可能性がでてきます。

そのため公的機関から発信する予防法に関してはエビデンスの裏付けに関して厳重に審査されます。エビデンスというのはヒトを対象とした疫学研究をいい、動物実験や細胞実験は原則的には含みません。

(関連)感染拡大と戦う武器、社会統計学の教育について ― 中田智之 アゴラ(2020年05月13日)


今回の研究はマウスを対象とした実験です。また歯周病細菌の腹腔内投与は感染実験としては重篤な感染症をもたらすかなりヘビーなもので、実際のヒトの歯周病とは感染部位も重篤度も違ってきます。もちろん論文の内容自体を否定するものではありませんが、動物実験の結果は「解明の端緒をつかんだ」というのが妥当な解釈と思います。

ツイッター歯科関係アカウントの間では、あたかも認知症と歯周病の関係が詳らかになったような記事タイトルで拡大解釈に基づく便乗商法が始まらないか危惧していました。

歯周病の治療と予防には特に高額商品は必要ありません。ここに公党の代表からの発信、日本歯科医師会との関連性という権威づけがあることで、エビデンスの十分でない保険外治療や高額な洗口剤などの販促キャンペーンが勢いづく、というのは定番パターンです。

そのようなサービスや商品を販売していくこと自体は自由だと思いますが、購買者の判断基準に関わる公的な立場からの発信は科学に基づいてフェアであってほしいと思います。


学会や厚労省から発信する論文やガイドラインでは、未だに歯周病と脳梗塞、歯周病とリウマチの関係性も十分なエビデンスがあるとは言えないと、慎重に扱われています。歯周病や口腔ケアと関連しそうだというのは、「糖尿病・心疾患・早産」というのが、ヒトを対象とした疫学研究、つまりエビデンスに基づく現時点での定説です。

これらの状況の中で今回、公的機関に近しい立場から、日本歯科医師会の名前を挙げて発信があるに至り、急ぎ筆を執りました。 

一方で日本歯科医師会においてもコロナ後の来院回復を急ぐあまり、不確かなコロナ予防法等を広告していないか、再考する必要があるのではないでしょうか。そのようなエビデンス・ベースから逸れた発信が増えたことが、この出来事の遠因になったのではと感じております。


もちろん、歯みがきが大事なのはあたりまえです。また動物実験や細胞実験なくしてヒトを対象とした臨床研究は成り立たないので、その重要性は大きなものだと思います。今回の研究で得られた知見に基づき、疫学に基づいてヒトの認知症予防が確立していく可能性は間違いなくあります。 

しかし、未だにヒトを対象とした疫学研究がされておらず、理論的に自明でもないなかで、あまりに拡大解釈したとらえかたになるのは、せっかくの研究成果自体を歪ませてしまうのではないかと危惧しております。

公的機関関係者、あるいは影響力の大きい発信者は、ぜひエビデンスに関する基本的な理解… ヒトを対象とした疫学研究がエビデンスの原則であることを、この機会にご理解いただければ幸いです。

2020年10月1日木曜日

定期健診のご案内:改定

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

治療完了した患者さんに配布している「定期受診のご案内」ですが、だいぶ内容と使用意図が乖離してきたので、この機会に改定してみました。



これつくったのがニュー新橋コワーキングで開業DIYやっていた頃ですね。

差し入れ持ってきてくれる、自称カリスママッサージ師経営者の知らないおばちゃんから色々アドバイスをもらって作りました。







ここで出会った山崎さんからSEOの基本のキを教えてもらったり、立教大OBを名乗る柴田さんからやたら効果があるドラクマ硬貨のお守りをもらったり、BARON立ち上げ前夜の藤原さんに靴と職人さんとのお付き合いについて伺ったり、大変知見の広がった日々でした。

その後BARONのオーダーシューズは一足お願いしましたが、めっちゃ履き心地いいんでオススメです。

多分持っている靴の中で一番履き心地いいです。



これが写真のデータによると2016年ということなんで、たった4年前の出来事なんですね。

あれから色んな事があった気がするなぁ。

あの時出会った人たち全員が幸せになっていて欲しいなと思います。



ただし発起人の大学同級生Mだけは願ってやんねー。
というかこれがキッカケで何故か結婚してるから十分だろksg
末永く爆発しろっ!



そんなこんなで話が盛大にそれましたけど、こんな感じに改定しました。

意識したのは、知らないカリスマおばちゃんに教えてもらったこと…。文字で書いてあってもほとんど読まない、ぱっと見で飛び込んでくる情報を意識しろということですね。





これを二つ折りにして小冊子にして出すので、とりあえず表紙みてウラみれば伝えたいことは完了です。

しっかり判断するためには情報公開が重要という観点から、歯科医院でも料金をしっかり明示していくことを良しとしています。

これは賛否のあることと思いますが、自分自身で調べていても「結局いくらなのよ!」っていうのは絶対に欲しくなる情報だと思います。

歯科医院は医療機関なのでむやみに価格を提示して、高いか安いかで決めてもらうのは良くない、というのは分かりますが、却ってはっきり料金を示した方が安心感につながるのではと考えております。

2020年9月28日月曜日

2020年度 保育園質問 ご回答

本年度も歯科検診をお請けしている保育園の、保護者様からのご質問に回答いたしました。
例年通り質問の重複は多く、保護者が気になるテーマは共通している部分が多いのだと実感しました。
以下にまとめた回答は、多くの親御さんの参考になると思います。


Q1)寝る前のみ歯みがきを行っている。朝も仕上げみがきをしたほうが良いか。

A1)1日の歯磨き回数が1回と2回では、虫歯予防効果の差はさほど大きくありません。寝る前のみでも問題ないので、その分質の良い仕上げみがきを心がけましょう。
ただし小学生になると口臭がいじめと関連すると言われています。口臭予防として朝の歯みがきは重要なので、就学前までに習慣づけられると良いですね。



Q2)フッ素配合歯みがきジェルを使っているが、歯磨き後のうがいはしたほうが良いか。

A2)虫歯予防に関しては、実はうがいは必要ありません。
フッ素の虫歯予防効果は、水で洗い流されると低下してしまうので、歯に付着させたままが有効、飲み込んでしまっても構わない、というのが最新の定説です。
歯みがき後は30分間飲み物禁止が望ましいです。歯みがき粉使用量は以下を参考にしてください。この範囲であれば全量飲み込んでしまっても安全です。
また、うがいができるのは3歳からと言われています。

(厚生労働省:eヘルスネットより引用)

Q3)口を開けるのを嫌がり、歯みがき粉は舐めてしまう。しっかりみがけているか不安。

A3)幼児が歯みがきを嫌がるのは一般的です。
歯みがき粉は舐めてしまう前に、フッ素配合のものを最も子供の虫歯が発生しやすい上顎の前歯の間に刷り込みましょう。
数日以上同じ場所に磨き残しがあるとそこが虫歯になります。日によって磨き始めの場所をローテーションさせていくのは有効です。
休日などは、祖父母やパートナーなどに協力してもらいましょう。



Q4)歯の黄ばみが気になる。虫歯になってしまうのではと心配

A4)全体的な黄ばみは麦茶などの成分がステインとして着色している場合と、歯そのものが黄色い場合があります。歯医者さんに行って判断してもらいましょう。どちらも虫歯とは関係ないので、様子見でも構いません。
部分的な変色や白濁は虫歯の前兆かもしれないので、進行するようなら早めに歯医者さんに行きましょう。



Q5)親の歯並びが悪く、子供も悪くならないか心配。予防方法や行うと良いことを教えてほしい。

A5)歯並びは遺伝することが多いので、注意は必要だと思います。
大人の歯が生え始める6歳ごろ、気になることがあれば矯正医に相談してみましょう。
それより低い年齢でできる有効な予防法はほとんどありません。 



Q6)歯医者で歯石がたまりやすいと言われた。たまりにくくする磨き方はあるか。

A6)歯の付け根にはくびれがあります。難しいかもしれませんが、この部分を良く磨いてください。
それでも体質によっては歯石がたまりますが、歯石自体の害は小さいので、定期的に除去すれば問題ありません。



Q7)下の歯が前四本生え、一本飛ばして奥歯が生えてきた。歯並びに問題ないか。歯は生えてくるか。

A7)一般的な生え方です。乳犬歯は遅れて生えてくることが多いので、今のところ心配ありません。



Q8)子供が使う歯ブラシと大人が使う仕上げ用歯ブラシは分けたほうが良いか。

A8)使用する歯ブラシによって虫歯予防効果が変わることはありません。やりやすい方法を選択してください。

2020年9月24日木曜日

医療行政アナリストという「名乗り」の言い訳←

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

先日ようやく副業ライター養成講座を修了しました。

課題としてガッツリ調査し、的確な赤入れされ、他の人の作品に唸らされる…。大変有意義な4回講義だったと感じます。

また、「かっちり記事」の新田先生のレクチャーと、「ゆるい記事」戦略の尾藤さん(最終回ゲスト)のレクチャーの対比も面白く、これからライターとして挑戦してみようと思う人にとって、実践的な講義だったと感じます。



というわけでこの講義に基づき、アゴラ記事やツイッター名義にて「医療行政アナリスト」という仰々しい肩書を「自称」させていただいております。

あんまり詳しく話すとネタバレになってしまうので簡単にいうと、普通の肩書書いてあっても基本スルーされるよねって話です。




この肩書ハッタリが結構効果があって、ツイッターのフォロワーの伸びが良くなったような気がします。

自称なんですけどね!!


でも厚労省のナマデータまで潜り込んできて文章組み立てる歯医者ってそうそう居ませんからね。

論文の簡易レビューを自作して一般向けに書く、それを月1ペースくらいでやる歯医者も、そんなにはおらんと思います。

そういうあたりで自分自身を納得させて、いちおうそんな感じでやってまーす的に肩書をつかわさせていただこうかなと思っています…。



一方で尾藤さんの、「そんな肩ひじはった記事かきませんよ。かる~い感じでコラムニストでいこうかなって」っていうスタンスも、風来坊じみてていいもんだなぁと感じました。尾藤さん他に使える肩書いっぱいあるのに…!


ここらへんもブランディング・戦略の一部なんだなぁ、という学びでした。

2020年9月20日日曜日

近況報告

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

今回は久しぶりの雑記というか、近況報告です。



ネット上では怒涛のアゴラ投稿をした8月、動画投稿の流れをつけた9月ですが、リアル業務としては保育園健診(150人くらい)、小学校検診(250人くらい)を行っていました。

歯科医院のほうもお陰様で平常並みの活況です。

この2週間はガッツリ疲労したので、連休がありがたいですね。

恒例の保育園からのご質問については、後日回答する予定です。



それと同時に、学術論文も書いています。

公開までに時間がたってしまったので、再び最新の研究分野の進捗状況にキャッチアップしたり、新しい参考文献をつけたりという作業をしています。

追加実験は必要ないとは思いますが、場合によってはやる覚悟ではいます。



なお当たり前ですが学術論文は投稿済みです。だれも研究していない超独自路線をいったためか、たまに確認すると引用件数が増えていて喜ばせてくれる、かわいい子です。

学術論文で14件引用って、我ながらなかなかのもんだと思いますが。




そういうわけでブログ週2投稿、アゴラ月2投稿は維持しつつ、1~2か月ほどクオリティダウンするかもしれません。

論文投稿が終わったらこうやってみたいという企画もあるので、パワーアップしての再アクセルをご期待ください!

2020年8月3日月曜日

ムーミンバレーパークは都心テーマパークに迫るポテンシャル

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

週末はムーミンバレーパーク/メッツァビレッジに行ってきました!



ムーミンなんだかメッツァなんだか一瞬混乱しますが、場所は同じです。

ムーミンバレーパークは入場料が必要なテーマパーク部分、メッツァビレッジは門前ショッピングモールと考えると良いでしょう。



門前といってもカヌーに乗れたり、空中アスレチックがあったり遊べます。それぞれパークとは別料金です。

全部楽しもうとしても一日では終わらないので、初回はムーミンバレーパーク内のアトラクションを楽しめるワンデイパスで遊び、二回目以降で目先を変えてカヌー等に挑戦したほうがいいかもしれません。





メッツァビレッジ部分は飲食・ショッピングに、ゆっくりくつろげる草原スペースがあります。湖畔の施設の良さをしっかり活かしていると感じました。

日々の仕事でつかれちゃったので、おじさんはここで寝ていたいです。

でも子供たちも小さいので、がんばってエスコートしなければなりませんね。



少し奥の方にいくと料金所があり、そっからがムーミンバレーパークです。

去年はめちゃくちゃ混んでると聞いていましたが、2020年の夏は諸事情により程よい人の出で、湖の水面をみながらの森林浴気分を満喫できます。

ところどころに物語にちなんだ施設があり、その近くではアニメーションが流れていたり、世界観を伝える「ストーリーカード」が配布されていたりして、気分を盛り上げてくれます。

ストーリーカードは全14種類みたいですが、適当に集めていっただけで10種類入手できてました。入口でおしゃれなコレクションファイルを手渡されるので、謎解きゲームみたいに集める楽しみ方もできそうです。





食事はムーミンの家のとなりの食堂へいくのが一般的かなと思います。ポップコーン・ホットドッグの露店販売はあるので、手軽に済ませるならそちらで。

グルメという観点では門前のメッツァビレッジのほうがおいしいので、うまく時間調整して利用できるといいかもしれません。

今回は帰りがけにメッツァで食事して早夕飯としました。歩く距離があるので、食事のためだけにバレーパークからメッツァに移動するのは現実的じゃないと思います。



一番の良さは、自然の湖と森林を活かした居心地の良さですね。

バレーパークもまだまだ拡張性がありそうなので、今後発展していけば埼玉の人気スポットとして有名になるかもしれません!

立地としては基本車でいくと考えるべきかなと思います。たぶん開発人たちの目線が車社会前提で、舞浜みたいな電車での来場は想定していなそうです(笑)(シャトルがでているそうです)



舞浜並みに歩き疲れてヘトヘトでしたが、子供たちはかなり楽しかったみたいです。

先ほど言ったカヌーや空中アスレチックなど、もうちょっと子供たちが成長したほうが楽しめるだろうなというアトラクションのために、ぜひリピートしたいなと考えています。その時までにはさらに発展してると思うので、楽しみですね。

一日じゃ遊びきれないボリューム感と解放感! ムーミンバレーパークおすすめです!!

2020年7月21日火曜日

歯周病学会Web開催インプレ:臨床疫学の重要性がここでも

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

本来は5月に予定されていた歯周病学会ですが、コロナ騒動で延期・Web開催となり、それもだいぶ遅れていましたが先週ようやく公開となりました

歯周病学会は認定医・専門医制度もしっかり整っていることから、歯科学会の中でも有数の会員数、参加者となるのですが、このような大きな学会でWeb開催という初めての試みを無事整えられたこと、関係者の皆様、特に主管学校の方々のご苦労推して知るべしと思います。

よくととのったウェブサイト、インターフェースで、好印象を持ちました。



さて、この中で私のような伸び盛り(?)の歯科医にとっては認定医・専門医教育講演と、倫理委員会企画講演がメインです。

参加した証明書が認定医・専門医申請に必要なので(^^;

不正防止検証の観点からいろいろやってみましたが、動画スキップはできませんので悪しからず

というか一回中断して再視聴するときも、「途中から再開」というのはできないので、最初から見ないといけないんですね。

子供が妨害してきたらどうするんだ!(←この対応は概ね妥当だと思いますw)



ところで倫理委員会企画公演の、福原俊一先生「臨床疫学は、日本の臨床医学にバランスをもたらす」はすっごい良かったです!

私も従来より日本の医学研究は基礎研究に偏重しており、臨床疫学はかなり遅れているように感じていました。

それが下記記事ような批判を受けることや、新型コロナ対策が二転三転する原因だと思っています。

(参考)医学部で数学を勉強しないのが諸悪の根源 ― 八幡哲郎・アゴラ(2020年5月9日)



個人的には先進国ならではの患者権利の強さから、倫理規定のハードルや、通さなければならない書類・審査が多すぎるためかと思っていました。

この部分では福原先生が提唱するProtectid timeはすごく納得したアイデアです。これは疫学研究費を財団から大学に提供する条件として、研究者が一定割合の時間を臨床から切り離し、研究に関与する時間をProtectするという、米国で実践されている仕組みです。

私も大学院生時代に、電話番兼任(後輩が入らなかったから3年間)だったり、患者さんからの呼び出しで、時間のやりくりに悩まされた体験があります。かといって完全に臨床と隔絶された、研究オンリーの部署に所属するのも、医師・歯科医師のキャリアデザインとしてはリスキーな選択です。



一方で新しく学んだこととしては、観察研究のエディンバラ学派と、基礎実験研究のドイツ学派という考え方です。

日本の基礎実験偏重はドイツ学派の伝統ということは、なるほどと理解できます。

基礎研究の重要性は変わりませんが、現状あまりに臨床疫学研究は日本国内で軽視され、海外文献に頼り切りになっているので、リバランスは必要だと思います。

私自身の考えとしては、臨床疫学研究がなければ治療法解明の決定打にはならないと考えています。

この点福原先生はRTC至上主義と批判していましたが、そもそもRCTを大事にする土俵にも上がってないのが日本の現状ではと感じております。加えて、中国・ブラジルなどでの「条件だけ満たした質の悪い」システマティックレビュー・ハックについても、どうお考えか質問したかったです。

(参考拙稿)感染拡大と戦う武器、社会統計学の教育について ― アゴラ(2020年5月13日)


エディンバラ学派はその後イギリスのコクランや、アメリカのNIHならびにCDCなどと発展していったんだなと思うと、日本がこれから疫学研究を育てるのは大変苦労しそうです。

やはり本場の体験に勝るものはないので、留学先などの選択肢として選ばれるようになるインセンティブがあると良さそうだなぁと感じました。


ジョンズホプキンス大学 MPH日本プログラム

これは受けてみたいなぁ…!

2020年7月11日土曜日

グーグルマイビジネス更新

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

ここ最近は副業ライター養成講座で精魂尽き果てたグーグルマイビジネスの更新作業をやっていました。

中田歯科医院
(↑こんなかんじ)



最近は検索よりもマイビジネスで入る方が多いので、検索順位上がらなくて悔しいから少し見直してみようと思い立ったところ、思ったよりもイジリ甲斐があって楽しんじゃいました。



*全ての写真は患者さんから掲載の許可を頂いております。

それと同時に料金も若干価格改定しております。

料金表も項目が多いと見づらいので、ゴールドクラウンとかチタン床とか、マニアックなものはリストから外しました。


シンプルイズベスト!


臨床においては分かりやすい説明に努め、患者さん自身で納得した選択ができるよう心掛けております。

そのためには、分かりやすいメニュー表・料金体系、ネット上での情報公開が重要だと考えております!

2020年6月28日日曜日

150人の遠隔授業に参加しました!

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

5月末より大学講義が再開しています。

というのも、ワタクシ日本歯科大学生命歯学部微生物学非常勤講師でありまして、週1火曜日、学生たちの微生物学実習の指導をしているんですね。



教壇に立って講義するわけではないんですけど、微生物学講座は何故か人手不足で、一人の教官が20名ほどの学生を監督指導しています。



実習といってもここで扱うのはナマの微生物で、いろいろ対策はしてありますがリアルな結核菌や赤痢菌等も扱うので、正式な届け出の下緊張感をもって職務に当たっています。



ところがこのコロナ騒ぎでとりあえず6月いっぱいまでは遠隔授業ということ。

遠隔飲み会などはそこそこやってきましたが、150名近くが参加する本格的な遠隔授業というものは初めてなので、けっこうワクワクしました。
…まぁ講義やらないので、見てるだけなんですけどね。

一応レコーディングしてありますし、給与の根拠になるので、真面目な顔してときどきうなずかないといけません

これが3時間続きます。



…苦行だ…



いちおう参加者の態度確認のため巡回とかはしてます。

講義終了で退出を指示してるのに退出しなかった学生は減点していいのかな?ww



やはりやってみてこその発見がいろいろありますね。

貴重な体験になったような気がします!

2020年6月25日木曜日

副業ライター養成講座に参加しました

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

先日より副業ライター養成講座に参加しています。

http://writer.soclab.jp/


(PRサイトより引用)

全4回と、まさに「副業」として受講しやすい日程です。

最近アゴラでもコンスタントに書くようになりましたし、一応これだけ書いていれば将来的には自分の業界でも何らかの活躍をしていきたいなぁ等と思っています。

ここらで総合的に学ぶチャンスかなと、思い切って受講することとしました。


(写真はPRサイトより)

講師はいつもお世話になっているアゴラ編集長 新田哲史さんです。

新田さんは読売新聞記者がご出身ということなので、ニュース記事作成のお作法やリスク対策といった部分をしっかり学びたいと思います。

また新田さんはメディア関係で2代目ということです。私も親と同じ仕事をしていますが、2代目というのは「その業界に食わせて育ててもらった恩義」みないなものをうっすら感じており、仕事に対して自分がやっていけるかどうかという部分だけではなく、「業界の未来はどうか、在り方は正しいか」という問題意識を持つ人も多いのかなと思います。

そういった部分で共感できるところもあり、学ぶなら新田さんから、と決めました。



第一回講義は既に終わり、先ほど久しぶりに省庁のデータ巡りをして作り上げた宿題を提出し終えたところです。

他の受講生の皆さんも目的意識をしっかり持っていて、こちらも身が引きしまる…

といいのですが、はっきりいって「ぜったいこの人、記事にしたら面白い話題もっているよね」って方々ばっかり。



一介の歯医者がどうしてここに迷い込んだ感で精神が削られながらの受講ですが、気力を振り絞って頑張りたいと思います!

きっと修了時には、「俺は副業ライターなんだぜっ!」って胸を張って言えるようになっているんじゃなかろうか!!

(アドセンスの引き落とし可能額にはやく到達したいなー)

2020年6月23日火曜日

多様な価値観からみた日本教育の強みと今後

先日、年齢も学歴も居住国も違う、日本の教育に関して問題意識をもつ5人でZOOMミーティングしました。

参加者の属性は下記の通りです(ツイッター公開情報から抜粋)

・日本の小学校教諭
・日本の高校生
・オーストラリアの高校生
・ベトナムの高卒・スポーツコーチ
・日本の歯科大なる職業訓練校卒

これはあらたしい党オンラインサロンのディスカッション仲間と、未成年を主体とする政治系オウンドメディア おとな研究所メンバーという枠組みです。大変貴重な機会だったので、私なりに感じた部分を記事にしたいと思います。



他の参加者もそれぞれの立場から振り返り記事を出しているので、ご参照いただけると幸いです。

学力とは何か ~学力は数値化できるのか~ ー mazipon

日本のこれからの教育 ― おとな研究所

【教育はこれからどう変わる】在住国も年齢層も違う5人が大激論! ー Aki



1、他国の教育と比較し、日本式教育の特徴を発見する


まず最も私が聞きたかったのは、小学校の先生自身が教育への問題意識を持ちながらも、欧米的な自由化に準じた議論をすると、「それには違和感」と回答がある点でした。

いくら他国と比べても、現場感覚に基づかなければ実際の問題点は分かりません。今回のメンバーなら、海外における現場感覚と、国内の現場感覚両方を突合させることができ、有意義な議論ができるのではないかと企画しました。

その中で見えてきたことを、私なりに要約すると下表のようになりました。



私が得心したところは、日本教育は戦後の詰め込み教育の反省が根強くあるのだなというところでした。昭和中期(1970年頃までとされる)、高度経済成長の職業人材ニーズに基づいて生産性を向上する詰め込み教育が重視されたのですが、結果としてついていけない学生たちを中心に、校内暴力や非行少年が社会問題化したという出来事です。

一方でオーストラリアとベトナムでは現在でも学習と人材育成は結びついているという意識は共通しているようでした。これを聞いた小学校教師が、「ある意味、戦後まもなくの教育論を聞いているようだ」と受け止めたというのは大変興味深い部分でした。



2、日本はボトムアップ教育が優れている


確かに日本の学校教育は「おちこぼれ」を出さないことに注力しているのは実感があります。成績に問題ないものが比較的放任される中、落第ギリギリの生徒にきめ細やかな対応がされるというのは、実感のあることと思います。

こういった先生方の努力の結果、日本人の低学歴労働者は識字率・計算能力といった部分で諸外国と比較し高い能力があることは既に分かっており(「日本の分断」 ー吉川徹(光文社新書))、この点は外国勢からも評価されるべき部分だと指摘されました。

それと比べオーストラリアでは学校教育で「おちこぼれ」ることについて過度な危機意識はないということでした。ここは主観的な意見とは思いますが、再チャレンジに関して前述の表でまとめたような様々な施策がオーストラリアにはあるというのは事実で、「人生最初の16年が失敗だったな、とおもっても取り戻すことができる」ということでした。

一方ベトナムでは後進国ということもあり、国が優秀なものを選別することに最大の努力が傾けられているようでした。「おちこぼれ」に対しては政府はドライである一方、日本の外国人技能実習が再チャレンジの手段になっている、というのには驚きました。ベトナム人は、日本で苦労し、理不尽な扱いを受けても3年間我慢すれば、貯金もできるし日系企業に就職する道も開ける、と考えているということでした。

こうなると日本は社会が成熟し、固定化してきた分、かえって再チャレンジの方法が限られた社会になっているように感じました。もちろん文科省などで既に改善が試みられていますが、ゴールである就職先は限定的で、再チャレンジしたものを受け入れる企業側・社会側の課題も大きいものであるように感じました。



3、在学中と卒業後の評価の乖離


このように再チャレンジの方法が限られる社会では、「おちこぼれ」ないようにボトムアップに注力するというのは合理的かもしれません。

しかし「在学中のボトムアップ」に対して違和感を強く感じたのは、学校内での校内暴力や非行・不登校に関して解決できたとしても、ひとたび卒業すると「入試や就職では実力主義」であるということです。

つまりエンドポイントから遡る視点で見ると、学生たちが卒業したあとの世界は順位付けの競争社会なので、結局は求められる方向性について評価基軸を吟味して明確な基準をもって指し示すほうが、子供たちのためになるのではないか、と言えるのではないでしょうか。

入試に関してはマークシートによる絶対評価だけでなく、パフォーマンス評価の意味合いが強いAO入試や指定校推薦も導入されていますが、これもまた公平性の観点から複雑化させている一因のように感じます。



まとめ:多様な軸、教育自由化の有効性は変わらないと感じた


学校が求められる能力の方向性を示す、という意味では、ベトナムは合理的です。優秀な子供を推薦した教師は、高い評価を得られるなど、選抜と特化教育という部分でしっかりインセンティブをかけられる仕組みになっています。

一方で多様化と変化が加速する社会の中では、トップダウンの評価基軸が時代に追いつかなくなる可能性もあります。日本の教育でもそれは危惧されていることで、だからこそ順位付けによる方向性の指定ではなく、パフォーマンス評価を深めてきたのかと思います。

そうであれば、オーストラリア式に学校ごとに独自性のあるコンセプトと評価基軸(シラバス)を持ち、ニーズに応じて何が支持されるか判断するというのは有効だと思います。このような教育自由化はフリードマンが論じたものとして有名ですが、好きなコンセプトの教育に自由に参加できるだけではなく、どの教育方針がより求められているか投票する意味合いを持つとされています。

誤解されたくないのは、教育自由化では選択肢の一つとして日本の現行の教育をそのまま残すことができるという部分です。国際的にも評価の高いボトムアップ教育は、他国にはない日本独自の強みであり、教育自由化した他国がこれから解決しなければならない課題を日本は既に解決しているともとらえることができるのかもしれません。

このような教育自由化に類するものとして既に大阪市塾代助成事業や、幼児教育・保育の無償化として部分的な試みがされています。これを公教育全体に広げていくことで、学校と塾の二重構造や、勉強時間の過剰負担、コンセプト不一致による不登校や落第に関しても、解消していくことができるのではないでしょうか。

今回多様な背景を持つメンバーとミーティングできたことで、日本人の観点だけでは見えない部分も見えたし、現役の先生がどこに問題意識をもっているかも、幾分理解が深まったように思います。突発的なイベントでしたが、快く参加してくださった皆様に感謝を申し上げて、本稿を締めたいと思います。

2020年6月18日木曜日

モチベーションインタビューとナラティブベースドメディシン

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。


だいぶ前の話ですが、出しそびれてた記事公開します。(ちょっと忙しくて書けなかった)

年末の歯周病学の勉強会は、我が師である沼部教授の一期生、二期生の非常勤講師講演でした。


(ちなみに自分、三期生です)(←謎アピ)


まず一期生の佐藤宏和さんは医師に対して歯周病と全身疾患に関して講演した話題や、継続新規(医院継承)の話題など興味深かったです。


とくに継続新規は現在手続きをするために医院システムの見直しなどをしているため、めっちゃタイムリーでした。



その2週間後には二期生の加藤智崇さんの講演でした。

テーマはモチベーティブインタビューに関してで、…すごかったです。


何がすごいって一言一言論拠文献がしめされたり、あるシステマティックレビューを批判するためにフォレストプロットから問題点を抽出して原著論文をつついたり、死角がなさすぎる!

しかも(現役被っている先輩だし)無茶振りの質問しても、常に良い返しをする安定感。


これ金とれる水準じゃないですか(笑)


興味を感じ覚えておきたい参考文献



口腔衛生指導から30日後、その指示を完全に遵守したものはわずか11%
Johansson et.al J Clin Periodontol 1984


3年後には、中等度の歯周炎患者の半数以上が、最初に指示されたような歯間部の清掃を行っていない
Srtack et.al Dent Hyg 1980


受診の追加による口腔衛生習慣の強化は、無効である単回・複数回の口腔衛生指導に対して少しは改善
しかし、患者のアドヒアランスが低いとSPTなど歯周治療の継続的な来院は中断される
専門科による維持管理が欠如し歯周病が再発する
Wilson et.al 1984; Demetriou et.al 1995; Schuz et.al 2006



既にブログでも重ねて申し上げてきましたが、ブラッシングを改善させ維持するのには多大な努力が必要です。

「もっと歯をみがきましょう」というスローガンは、歯磨きをしない(できない・できていない)患者さんに対してほとんど意味がありません。


そこに対して、私は「虫歯はブラッシングの改善を期待せずフッ素で予防する」「歯周病はブラッシングを徹底させるので半永久的な定期受診を指示する」という2極点を提示しました。

一方で加藤さんはモチベーティブインタビューや、ITを駆使して定着率の底上げをしようという解決法を目指していました。


私が「現状現場でできる最適解」を模索しているときに、加藤さんは「未来に向けたブレイクスルー」を目指していたということです。これは大変勉強になり、刺激になりました。

もちろんスタンスの違いによる目指す極点の違いなので、私がこれまで発信してきたことは間違えていないと確信していますが、常に新しいことを学ばないと、いつの間にか「古い知識のまま」「もっと効率的な方法」を見逃してしまうな、と襟をたださねばなりませんでした。



ドクター加藤智崇、布教したいとおもいました。

行動変容、ナラティブベースドメディシン、モチベーティブインタビュー、オーラルフレイルなどの講演を聞きたいかた、ご連絡いただければセッティングいたします!(ダイマ)


2020年6月10日水曜日

授乳中の母親への投薬と麻酔まとめ

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

今回はスマホアプリで記事作成してみます。
上手くいけば更新回数も増やせるかなと考えてます!



最近気になった点として、授乳中の方への投薬について、復習がてら最新のガイドラインに触れたので、所感を忘備録としてまとめたいと思います。



参考:国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/druglist_yakkou.html



この中で歯科が頻用するのは、解熱鎮痛薬カロナール・ロキソニン、抗生物質サワシリン・ケフレックス、局所麻酔として抗不整脈薬リドカイン(キシレステシン)です。

これらは通常の投与であれば概ね安全であると説明しても差し支えないと考えています。

また局所麻酔薬リドカインについては、抗不整脈薬として内服した際の安全性が示されており、麻酔薬として局所に注射する場合の血中移行濃度(=全身をめぐって母乳に含まれる分量)は内服の場合より低いため、問題ないと考えて良いのではないでしょうか。



一方でリストに載ってないのが抗生物質フロモックスです。

フロモックスはアレルギーが出にくいことから歯科処方では一般的です。(通は抗菌スペクトルからサワシリンを選ぶのですが、好みの程度の触れ幅です)

内服薬の母乳への移行濃度を考えれば問題ないという意見も多く、それはそれで共感できます。

しかし振り替えるとフロモックスは小児投与の適応外なので、厳密に言えばケフレックスに切り替えるのがより丁寧な対応と言えるかもしれません。





さて、少し視点を変えて授乳の状況について考えてみましょう。

昨今共働きが増えているなか、完全母乳育児(完母)は減っているように感じています。



最も多いのは粉ミルクとの併用(混合)です。

これは母乳はある程度吸ってもらわないと乳腺炎になってしまうという事情があると思います。



つまり混合だと聴取できたとしても、安易に「服薬中は粉ミルクにしておきましょう」というのは、吸ってもらえない分を絞り出せと指示していることになるので、十分な配慮とは言えないのではないかと感じています。

これはお恥ずかしながら、子育て経験の中で初めて認識したことです。

また赤ちゃんによっても粉ミルクが嫌いな子もいますので、うまく聴取していく必要はあるかなと思います。



このように授乳中の投薬については、本質的にはほとんど問題にならないと考えてもよいのですが、より安心して受診していただくためにこれらの情報をしっかりと提供しながら、患者さんそれぞれの希望に沿った形で進行できれば良いかなと考えております。



現状とりうる選択肢としては以下があると思います。

1,症状が軽度の場合は、「念のため」投薬や「心配だから」服薬を避ける。

2,症状が重く服薬しないことの不利益が大きいと認める場合、授乳に影響なしとガイドラインで示された薬剤を投薬する。

3,服薬中の授乳が心理的に受け入れられない場合、一時的な粉ミルクへの切り替えや搾乳を検討する。



これらの選択肢を提示し症状と照らし合わせて、医学的必要性とご希望とのすりあわせを、個別に行っていきたいと考えています。

2020年6月3日水曜日

[Youtube] 【専門家42人に聞きました】歯磨きで一番大切なこと【ワンポイントアドバイス集】

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

田尾さんの企画した標題の動画に参加させていただきました!



なんと2番手! ありがたいです。

企画開始初期に投稿したのですが、締切直前バージョンだとすさまじいクオリティのインフレを起こしており、歯科の人材の厚さに驚きました。(((º▽º ;;)


<企画主旨>

2020年5月20日水曜日

6月1日以降の診療体制について

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

緊急事態宣言をうけ診療体制縮小をしておりましたが、
6月1日(月)より通常営業といたします
新型コロナウィルス感染拡大防止へのご協力、ありがとうございました。



診療時間について
通常の診療時間となります。
詳細はトップページをご確認ください。


診療内容について

通常の診療内容となります。
義歯・歯周病メンテナンス、各種検診を再開いたします

特にメンテナンスについては順次再開するようお願い申し上げます。



電話診について
受診に関して判断が難しい場合は、お電話にて対応いたします。
下記電話番号におかけください。
*受診勧奨に留まらない複雑な対応が必要となる場合は電話診料を頂く場合がございますので、予めご了承ください。
Tell: 048ー295ー3551



感染防御について
来院患者の皆様とスタッフを守るため以下の対応を当分の間継続いたします。

1、診療室入室時点で過去2週間以内に発熱、せき、呼吸困難、強い倦怠感、味覚嗅覚障害がないか確認のうえ、検温させていただいております。
これらがある場合、もしくは検温にて37.5度以上の発熱がある場合、歯科医師の判断によっては発症日から2週間後まで処置を延期させていただく場合があります。

2、スタッフに対し、出勤前の検温を行い、発熱がある場合は休むよう指示しております。

3、処置開始前に1%過酸化水素での洗口をお願いしております。

2020年5月18日月曜日

アゴラサロンに参加しました

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

前日アゴラサロンでのZOOM会議に参加いたしました。



アゴラさんにはお世話になりっぱなしなので、そりゃぁもちろん参加しますよ!という感じで参加したのですが。

FBグループ機能ベースでのオンラインサロンですが、その日の各ウェブメディア掲載のニュースをダシにみんなでワイワイやるのは結構楽しくて、普通にハマっています…!!


あたらしい党オンラインサロンもこのくらい盛り上がれば…ッ!!


特に池田信夫先生の燃料投下が頻繁で、新田編集長とのツインエンジンでのツイッター広報・内部ディスカッションの盛り上げがうまい。

なるほどメディア出身の発信のスピード感、読者の盛り上げ方とはこういうものか、と勉強になっております。



また参加者としてアゴラ執筆陣の方々も多く、私の記事のシェアに篠田先生尾藤さんがイイネくださったり、いったいどういうこっちゃレベルの濃ゆい交流がなされています。大変光栄に思います。



時節柄医療系の参加者も多く、大勢の医者の前で新型コロナのオピニスト面するのが結構辛い部分もありますが、歯医者でも自分事としてそれなりに調べて書いているので、自信を持って生きていきたいと思います。



さてそんな中初開催となったZOOM編集会議(ほぼ雑談飲み会)ですが、しょっぱなに新たなレギュラー執筆陣としてご紹介いただき、大変恐縮でした。

その前日に自信満々の大作あまり読まれなかった)を投稿して、言いたいことは言い尽くした感もあり、完全にノーガード戦法でした…!



結果、何度か振られたけどガチコミュ障を露呈するという放送事故に…(泣)

いやほんとに何言っていいか思い当たらなかった。新田編集長ごめんなさい



次はテレビ出演するくらいの気持ちで、振られたらミュートされるまでしゃべり続けるくらいのテンションで行こうと思います…!!(←根が陰キャなので無理



そういうわけでアゴラサロンは初月無料!
おもしろそうだとおもったらお試し参加をぜひどうぞ!

2020年5月14日木曜日

[Youtube] 歯医者の俺が月1通院多すぎ疑惑をぶった切る!

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

タイトルは煽ってますが、言ってることはフツー、のはず!?
どうぞご視聴ください!



2020年5月12日火曜日

ブロガーとアゴラーとYoutuberと

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

応援している田尾先生がチャンネル登録5000人を突破したそうです! めでたい!!



記念LIVE配信も参加させていただきました。テーマは「情報発信について」ということで、多くの共感できる部分と、反省がありました。


最近同級生とのZOOM飲み会などでもYoutubeどうしたのとか、急に呼ばれたZOOM飲み会では歯医者でYoutuberの人です!と紹介されたことも相まって、ちょっと情報発信のレビューをしたくなりました。



1、Yotuberの圧倒的認知


こういう初対面でのご紹介にアゴラーの人ですと紹介されることはまずないと思うんですよね。

アゴラは基本属性がマニアックなので、歯科医師会の上司の人に「なんかやってるね!」と声がかけられたりしますが、訴求の幅の広さでいうとYoutube圧倒的なんだなぁというのが実感です。



上記田尾先生の動画内にもありますが、歯科医院に来ない人たちに歯科情報をアウトリーチさせるにはYoutubeは最高のツールではなかと感じます。

実は田尾先生の動画を見た後、自分のYoutube動画を久しぶりに確認してみたのですが、何もしてないのに結構PVが伸びているんですよね。


その中で一番伸びていたのがこちらです。



…まじすか!?w

3本撮りした中で流石にクオリティ低すぎやろって思っていたやつなんですが…(^^;

いつのまにか200PVちかくまで伸びてます。初動がそんなではなかったので、自動再生なりで勝手に伸びたということですね。

いや絵がテキトーすぎやろそこだけ修正したいわw



2、Youtubeではどういうテーマがウケるのか


時点が個人的にもオススメの、「良い歯医者ってなんだろう」「金属アレルギー」ですね。特に金属アレルギーは資料にも恵まれてかなりいい動画だと思うんですが、3位です。ただ平均視聴時間は80%と高く、内容の充実具合はしっかり反映されています。

で、どういう動画が伸びているか分析していくと、とりあえずタイトルかなと感じます。



アゴラでもタイトルに関しては編集部でかなり考えて付け直していただけているのですが、やっぱりネットの情報はタイトル勝負なところはあるんだなーと強く実感しました。

私が出した最後のほうの動画は「歯医者の俺が!シリーズ」と勝手に呼んでいるんですが、それなりに有効な戦略だったんだろうなと感じます。



一方で「わかりやすいエビデンスシリーズ」はほとんど伸びてません。再生率の分析などもしないといけませんが、需要ないんだってよくわかりました。



これらから分かるのは私の取り扱ってきた内容において、Youtubeは歯医者にいくまでもないけど、それなりに気になっているところが伸びるということだと思います。

つまりミクロな内容ということですね。

そりゃそうだってのはあると思うんですが、アゴラはマクロ・行政視点、Youtubeはミクロ・現場視点のアウトプットをすればよいと、自分の中ではっきりすみ分けができました。



…ということはアゴラでもミクロな内容のほうがウケるのかな?

まぁ世論が沸き立った時に投入すると伸びるかもしれませんね。ハンドピースの滅菌問題の時にレギュラー執筆陣だったら色々書いたのになぁ…。



3、どういう動画で戦えるのか


しかし私がYoutubeの発信をお休みしているのはアゴラが楽しいというのはたしかにあるのですが、田尾先生や寺岡先生の動画が良すぎて「俺別に頑張る必要なくない?」と思ってしまったからです。



これなんてお金払うレベルだと思いますよ。大変参考になりました。



一方で同時期に巻き起こった政治家Youtuberブームですが、こっちもこっちですごいです。

音喜多さんは3本まとめ撮り、一発録画。柳瀬さんは見た通りの通し動画。つまりどちらも30分以上ノーカットを、フィリングワードや良い淀み、長考ほとんどなしでしゃべり続けられるということです。凄まじい能力だとおもいます

ノーカット50分超高速しゃべりのメンタリストDAIGOはどこかブッ壊れているんではないでしょうか。






そんななかで自分にできることは何か、ニッチを掘ってサバイヴしてきた中田家的な勝ち筋はなんだと、生存戦略を練るわけですね…。



まとめ:今後の展開


とりあえず動画は意外と伸びがいいんで、「一般人が歯医者に面と向かって聞けないことに、正論で回答しつつ、スパイス的に制度批判を混ぜる」この方向で掘り下げていけばそれなりにはなるんじゃないかなと考えています。

スパイス的な批判を冒頭に入れておくなどで序盤の離脱を防ぐなどしてもいいかもですね。面と向かった制度批判はするつもりないんで、「歯医者にいきたくないなぁ」と思っている人がスカっとするようなちょっとしたオトボケを狙ってみようと思います。

なんせターゲットは「歯医者に行きたくない、もっといえば全く興味がない人」であるので。こういった人たちに「歯医者はいいぞ」っていっても無駄だし反感を買うだけなんで、「やっぱり行かなくても大したことにならへん」という共感を引き出しつつ、途中からロジックに巻き込んで「あれ、もしかしてこれ行かなきゃあかんやつ?」ってソワソワさせるという戦略。

それと動画編集とか楽しそうなんですけど、Youtubeスタジオが強化されていけばノー勉でもできるレベルにインターフェース側が進化するんじゃないかと考えてます。あとSurface Goだと多少パワー不足なのでデスクトップPCが欲しくなったり、追加投資が必要になってしまいます。自分ケチなんで成功するかもわからんことに金を投資するのはしません。投資するのは自分の時間とアイデアだけです。



というわけでYoutubeはかなり堀甲斐のあるツールなので、しっかり取り組みたいなという気持ちはあるんですが…

アゴラやブログとどう整合性をつけるか、ですよね。


長くなってきたので今回はここまで、続きます。

2020年5月11日月曜日

臨床研修医の現状とオンライン採用面接

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

新型コロナウィルスに関する緊急事態宣言が発令されている中、医療機関には一層の政府方針遵守が求められていますが、その中で難しい立場となっているのが臨床研修歯科医たちです。


(参考)歯科臨床研修制度の概要 ―厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shikarinsyo/gaiyou/index.html


簡単に説明すると国家試験合格後に1年間、歯科医師免許をもった研修生として、病院やクリニック(協力型臨床研修施設に指定されているもの)でOn-the-Job Trainingする制度です。



1、歯科臨床研修制度とは


臨床研修に参加しないこともできますが、その場合開設者として開業することが難しくなります。

自分は研究者として生きていくというものや、開業せず勤務医でありつづけると決意している場合は臨床研修に参加しないということもあり得ますが、人生なにが起こるかわからないので基本的にはほぼ全員が参加するものと考えていただければとおもいます。



これは広く一般に誤解されていることと思いますが、6年間の歯科大を卒業し、国家試験に合格して歯科医師免許を取得した新米歯科医師というのは、運転免許取りたての若葉マークドライバーと同じと考えてください。

若葉マークドライバーも規則を理解して公道は走ることはできても、周囲のベテランドライバーの気遣いが必要だったり、助手席に指導者に乗ってもらったりが必要です。ごく一部の猛者を除いて、いきなり首都高に乗るというのは、本人も怖いと思います。

卒業後1年目の臨床研修歯科医も、学術や規則を理解し法的には全ての歯科医療行為が認められているものの直ちに一人前の臨床判断や治療技術が身についているというものではなく、職場の院長や先輩のフォローや、先輩衛生士さんの理解と協力の下、一つずつ仕事ができるようになっていくものです。



2、緊急事態宣言下の歯科臨床研修制度


さてこのように歯科臨床研修制度というのは(最低限の)技術継承として重要な役割を担っていますが、緊急事態宣言の下でかなり停滞している状態です。

研修の実施主体である歯科大学附属病院がそもそも急患・必須の治療のみ対応する縮小診療をしているので、その体制の中でOJTは難しいでしょう。ベテラン勢ですらあまり経験したことのない水準の感染防御をしている中で、未熟な臨床研修歯科医を現場に投入するという判断はリスクのあることと思います。よって現状、臨床研修歯科医はリモートワークとなっています。



もちろん歯科医師臨床研修の全てがOJTである必要はなく、リモートワークでも一定の成果はあることと思います。しかし歯科臨床技術の養成においてOJTが重要な要素を担っていることは確かです。



そして歯科医師臨床研修制度のOJT部分のだいご味ともいえる、院外研修施設への4~8か月の出向に関しても、例年とは違う展開になっています。

例年であればこの時期は8月から始まる院外研修に向けて、臨床研修歯科医と受け入れ施設の間でマッチングが行われます。

私も5つくらいの施設見学に行き、研修担当の院長やベテラン歯科医と面接し、時にご馳走になり、多くの刺激をいただきました。

ある時は老歯科医師に自分の引き際と歯科医院のその後の話を聞き、ある時はバリバリ系若手院長の野望に触発されたりしました。クリニックは院長の心の在り方を反映するようで、スタッフの雰囲気、診療システム作りなど、たった数時間でも現場の空気を吸ったことは、今のクリニックづくりの参考になりました。



しかし緊急事態宣言下で各クリニックを臨床研修歯科医が見学に巡回するというのは、ただでさえリスクを指摘されている医療機関において感染拡大の一因となってしまう可能性もあり、現状見学禁止ということになっています。



3、オンライン面接の効果


そういうわけで管理型研修施設(大学病院)からは研修歯科医と受け入れ施設はメールで連絡を取り合い、質疑応答をするようアナウンスがありました。

しかしOJTである以上臨床研修歯科医には私のクリニックで実際に医療行為をするというわけなので、アルバイトの採用面接並みの情報はこちらとしても欲しいところです。

経歴自体よりも、経歴についてきちんと前向きな説明ができるか。質問に対する回答は内容よりも、どのような態度やトーンで質問に応答するか。面接ではそのような部分を見ると思います。



そこで私のクリニックでは流行に乗ってZOOMによるオンライン面接をやってみました!

歯科医は技術云々ありますが結局は対人スキル(インフォームドコンセントが必要十分に実行できるか)が重要になってきます。会話での目線や空気感などから、対人スキルの伸び代があるか、医院のコンセプトに合致するかなどを知るための情報は、メールや電話よりもかなり多くの得られたと実感しました。

それは研修歯科医にとってもそうで、研修指導医(私など)の人柄や空気感などが自分にあったものかどうかは十分に検討してもらいたいと思っているので、それらをしっかり伝えられたという手ごたえはあります。


またZOOMで会話する中で普段の面接以上に… 具体的には一緒にランチした程度には仲良くなれた感があったので、これは不思議だなぁと感じました。

オンライン面接をお互いに協力して成立させるという多少の努力が、共同作業感となるのかなと分析しています。

さらにスマホのリアカメラに切り替えて医院を巡ることで、バーチャル医院見学も同時に行うことができます。これには「初めてこのような対応をしてもらった、非常に参考になった」と研修歯科医からも好評をいただき、先行者利益となったと感じております。



まとめ


オンラインでは解決しないこと… 例えばOJTなどリモートワークでは非常に難しいといった事柄は大いにあると感じています。

しかし実際にやってみると普通に面接するとよりも、オンライン面接のほうが仲良くなれた = より踏み込んだ情報をお互いに交換できた、などといった、思わぬメリットも見つかりました。

縮小営業で時間があるのならば、思いついたらなんでもチャレンジしてみることは重要と思います。



歯科医療全体としてもオンライン診療などについて議論が進み、まもなく遠隔診療の初診解禁などが実施されていきます。

アフターコロナでは今まで通りの経営戦略が通用しない可能性があり、少なくとも緊急事態宣言解除とともに速やかにV字回復となる保証もないと考えております。

時間があるうちに色々試したり、勉強してみる、というのは有意義な過ごし方ではないでしょうか。

2020年4月22日水曜日

にわキャン△

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

先日子供たちとにわキャン△してきました~。

妻の実家の庭が広くて、こういうときありがたいです。



ピクニック気分で風を感じながらB6くんで炭火焼き+サンドイッチという予定だったのですが、思ったより暑くて屋内に避難。

既にB6くんは着火済みだったので、練炭事故にならないよう換気しつつ屋内で楽しみました。


ファイアスターターとティッシュペーパーと割り箸で安定してロゴスラウンドストーブミニに着火できる俺すごい。(←誰も褒めてくれない)



みんな散髪屋に行けてなかったのですが、ハリウッドセレブもいま自分で髪を切っている、という妻からの情報でやってみることに。なんで妻がハリウッド事情に詳しいのかはナゾ。

義理のお母さんフツーに散髪うまいです、ありがとうございます。


シャボン玉やったり、玉蹴りしたり…。 子供たちにとっては却って、こういうほうが良い思い出になるかもしれませんね~。

2020年4月20日月曜日

アゴラ レギュラー執筆陣になりました!

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

この度、アゴラ 言論プラットフォームレギュラー執筆陣に加えていただきました!!



アゴラと言えば、池田信夫氏や八幡和郎氏をはじめ、藤巻さん、宇佐美さん、音喜多さん、田中紀子さんら、素晴らしい執筆陣が参加しているミドルメディアです。

どの記事も大変参考になり、勉強させていただきました。

大学院時代などは、毎日ほとんど全ての記事を読破していたほどのアゴラファンです。(*大学院生は論文読みましょう



そんな中で医療制度や社会保障制度について日頃思っていることを投稿したいと思うのは、高校時代文系部編集長としてラノベという黒歴史を大量生産していた流れから当然の成り行きだったかもしれません。

そんなこんなであれよと10記事掲載となったところで、レギュラー執筆陣として個人アーカイブページを作りますというお知らせが来ました。


大 感 激 で す !!


アゴラ 言論プラットフォーム 中田智之

画像や肩書、簡易プロフィールはいずれ修正をお願いすると思いますが…。

いまアゴラはコロナ関連でアクセス数爆増しており、繋がりづらくなるということでバッタバタだと思うので、少し落ち着いてからにします。



このように文章で活躍できる機会をいただけたのは大変光栄です。

ツイッターやFBでディスカッションするときも、よく自分の記事は「考えをまとめたパッケージ」として引用するので、その時ゲストオーサーではなく、きちんと名前がクレジットされているのは単純にカッコイイですね♪


とはいえ今後もレギュラーの名に恥じない発信をしないといけないと思います。
気を引き締めつつ頑張りたいと思うので、今後も応援よろしくお願いいたします!


田尾さんからのメッセージが嬉しかったので記念に…


2020年4月18日土曜日

4/20以降の診療体制について

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

緊急事態宣言をうけ来週より当面の間、下記のとおり診療体制縮小を行います。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。



診療時間について
月・金
平常通り 9:00ー19:30
*受付終了間際にお越しの場合は、予めご連絡いただければ幸いです。


午前のみ 9:00ー12:30

水・木・土
時間短縮 9:00ー17:00



診療内容について

1、定期健診、歯周病・義歯メインテナンス
情勢が落ち着き次第お越しください。

2、川口市歯科検診事業
川口市歯科医師会の方針を受けて当面中止といたします。

3、その他診療
通常通り行っておりますが下記症状がなく、延期しても差し支えないと歯科医師が判断したものは、処置後延期をお願いしております。
痛みがある・食事ができない・義歯や歯の破損など、日常生活に支障をきたすもの



電話診について
受診に関して判断が難しい場合は、お電話にて対応いたします。
下記電話番号におかけください。
*受診勧奨に留まらない複雑な対応が必要となる場合は電話診料を頂く場合がございますので、予めご了承ください。
Tell: 048ー295ー3551



感染防御について
来院患者の皆様とスタッフを守るため以下の対応をしています。

1、診療室入室時点で過去2週間以内に発熱、せき、呼吸困難、強い倦怠感、味覚嗅覚障害がないか確認させていただいております。
これらがある場合、歯科症状によっては発症日から2週間後まで処置を延期させていただく場合があります。

2、スタッフに対し、出勤前の検温を行い、発熱がある場合は休むよう指示しております。

3、処置開始前に1%過酸化水素での洗口をお願いしております。

2020年4月15日水曜日

システマティックレビューでメタアナリシスしよう!

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

今日は、ついについについに!歯周病学講座勉強会でのシステマティックレビューを作ってみようという課題が(だいたい)終わって、一連の作業方法もわかったので共有しようと思います!

これを読み終わることには、なんとメタアナリシスが分かるようになる!という効能があります!

システマティックレビューにおけるPRISMAに則った論文検索から採用の流れまでに関しては、そんなに分かりにくくない部分なので割愛します。リクエストがあったら書きます!



1、システマティックレビューとPRISMA宣言


いま医療業界で注目されている(いた?)システマティックレビューですが、EBM(エビデンスに基づいた医療)の根拠となる質の高い論文、というところはご存知のことと思います。

しかし実際にエビデンスレベルの高い論文というのは「RCT(無作為割付を伴う介入試験)のシステマティックレビュー」なので、実はレビューした結果Case-controlしかないとか、前向きだけどChortだとかいう場合はエビデンスレベルのランクに入りません。

あくまで総説として参考にする、という扱いになります。

それでも作成する過程においてどのレベルまで研究が進んでいるかわかるので、推奨度をアウトプットできるので、非常によく作成されます。



システマティックレビューの手順がPRISMAとしてコクラン(イギリスの研究機関)より明示されて以降、システマティックレビューの本数は爆発的に増えています。

中には正直言って粗悪なものもあります。

そして実際自分で作ってみて強く感じたのは、ちょっとした匙加減でいくらでも結果をコントロールできるということです。

「そんな不確実なものではエビデンスとしてどうなの!」というツッコミが入りそうですが、ここがPRISMAの良くできているところで…。



PRISMAに基づいて作成されたシステマティックレビューは、その手順全てが検証可能です。

だから結果に違和感を感じたらメソッドの部分をチェックする。それで「ああ、このシステマティックレビューはここがダメなんだな」あるいは「都合が悪いから記載を避けたな」ということがわかるということですね。

(参考)PRISMA日本語版
https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/54/5/54_5_254/_pdf/-char/ja



そうであれば、システマティックレビューが急増する中、もはやその結論部分を額面通り信用するというのは危ない、ということになりうるかもしれません。

PRISMAの適正運用ができているかチェックをしていき、時に孫引きして自分自身で納得する結論につなげなくてはならないのかもしれませんね…

そんなめんどくさいこと毎回しないけど。コクランかNIHが言ってれば鉄板でしょ
(実際、無名の研究機関や、個人名義のシステマティックレビューには注意深く対応すべきかなとは思いました)





2、システマティックレビューとメタアナリシス


さて、PRISMAに基づいて手順通りオンラインサーチを用いて既出論文を集めて推奨度を判定するのがシステマティックレビューである、と分かりました。

ただのレビューとの違いは、既存のレビューがいわゆるポエム好き放題書いていたのに対し、PRISMAという一定の流れに沿って検証可能の論文として書いている「システマティック」だというわけです。

ではよく混同されがちなメタアナリシスとは何でしょう。



システマティックレビューには、最終的に採用した論文に対して、「質的統合」と「量的統合」という結果を出します。

質的統合というのは、集めたはいいものの実験計画がバラバラなので、とりあえず文章的にまとめるしかなかった、あるいは量的統合できなかった部分について評価するといったものです。ようは感想文ですね。

量的統合というのは各論文の共通する指標にを抽出して、統計的に統合することです。統計(アナリシス)を上位(メタ)統合するので、「メタアナリシス」です。



つまり、システマティックレビューは論文の形式を示す用語で、メタアナリシスは統計解析方法を示す用語、ということですね。

「システマティックレビューでメタアナリシスとしてフォレストプロットを作成した」を置き換えると、「Case-control研究でサバイバルレートの比較としてCoxハザード回帰分析を行った」とか「RCTでマンホイットニーU検定をボックスプロットで示した」とか、そういうノリですね





3、フォレストプロットしたい!


そういうわけでメタアナリシスの代表格がフォレストプロットです。これは皆さんにとっても良く目にするリザルトの様式だと思います!

もし文献数が多い場合は出版バイアスを疑ってファンネルプロットすべきですが、今回は割愛します。



このフォレストプロットですがExcelでは作成できません。使用されることが多いのは、統計分析フリーソフトRです。

(参考)統計分析フリーソフト R
https://statistics.co.jp/reference/software_R/free_software-R.htm

しかしながらこのRというソフト、DOS/Vプロンプトばりのコマンド方式UIで、臨床歯科医という現場の人間にはツラい…!!

それをなんとかWindows95的なグラフィカルUIにしてくれるという神対応をしてくれたのが自治医科大学です。その名もEasy R、フリーソフトEZRです。

(参考)無料統計ソフト EZR ー 自治医科大学
http://www.jichi.ac.jp/saitama-sct/SaitamaHP.files/statmed.html



マウスが使えればこっちのもんだぜ! ということでエクセルで作ったデータをクリップボード経由でインポート。「統計解析」 → 「メタアナリシスとメタ回帰」と進んで、適切な解析方法を選ぶ。これで前出のフォレストプロット図が得られます!







4、量的統合するためには解析法を揃えなければならない


ではインポートするエクセルデータをどう作るかですが、PRISMAに沿って採用した論文の中から、量的統合をするために、同じような評価基準、同じような統計解析を抽出する必要があります。

場合によってはデータから自分で統計しなおしたり、分母分子を逆にして再計算しなおしたり、という場合もあります。



たとえばリスク比(RR)とオッズ比(OR)にはRR=OR/[(1−P0)+(P0×OR)という換算式があります。

この換算式は有名なものだから使用して良いのですが、あるシステマティックレビューにはハザード比(HR)とリスク比(RR)は近い性質を持つので、HR = RRとする、なんてこともやってたりしてます。

「近い性質を持つ」というのはあながち間違いではないのですが、計算式が違うのにイコールで結ぶのはいくら何でも乱暴じゃないかな! そのあたりをどうとらえるかで、システマティックレビュー全体の信頼性を判断する、というのが必要になってくるのだと思います。



ということで今回はCase-control studyで、主な結果はカプランマイヤーの生存曲線で示されており、そこからCoxハザード回帰分析にてハザードレート(HR)という形でアウトプットされている文献のみを量的統合の対象としました。

残念ながら1件の論文はChort studyでリスク差をアウトプットとしていたため、これは質的統合のみに回すこととしました。この文献はIPTWという、これはこれで味わい深い解析法を採用しているので、またの機会にまとめたいと思います。



というわけで、とりあえず量的統合に採用する論文のHRと、95%CIの最大値さえわかればフォレストプロットが描けます!

その数値でどうやってeffect sizeとか異質性が算出できるのかはサッパリわかりません!
また次の機会に勉強したいと思います!