本年度も歯科検診をお請けしている保育園の、保護者様からのご質問に回答いたしました。
例年通り質問の重複は多く、保護者が気になるテーマは共通している部分が多いのだと実感しました。
以下にまとめた回答は、多くの親御さんの参考になると思います。
A1)1日の歯磨き回数が1回と2回では、虫歯予防効果の差はさほど大きくありません。寝る前のみでも問題ないので、その分質の良い仕上げみがきを心がけましょう。
ただし小学生になると口臭がいじめと関連すると言われています。口臭予防として朝の歯みがきは重要なので、就学前までに習慣づけられると良いですね。
Q2)フッ素配合歯みがきジェルを使っているが、歯磨き後のうがいはしたほうが良いか。
A2)虫歯予防に関しては、実はうがいは必要ありません。
フッ素の虫歯予防効果は、水で洗い流されると低下してしまうので、歯に付着させたままが有効、飲み込んでしまっても構わない、というのが最新の定説です。
歯みがき後は30分間飲み物禁止が望ましいです。歯みがき粉使用量は以下を参考にしてください。この範囲であれば全量飲み込んでしまっても安全です。
また、うがいができるのは3歳からと言われています。
Q3)口を開けるのを嫌がり、歯みがき粉は舐めてしまう。しっかりみがけているか不安。
A3)幼児が歯みがきを嫌がるのは一般的です。
歯みがき粉は舐めてしまう前に、フッ素配合のものを最も子供の虫歯が発生しやすい上顎の前歯の間に刷り込みましょう。
数日以上同じ場所に磨き残しがあるとそこが虫歯になります。日によって磨き始めの場所をローテーションさせていくのは有効です。
休日などは、祖父母やパートナーなどに協力してもらいましょう。
Q4)歯の黄ばみが気になる。虫歯になってしまうのではと心配
A4)全体的な黄ばみは麦茶などの成分がステインとして着色している場合と、歯そのものが黄色い場合があります。歯医者さんに行って判断してもらいましょう。どちらも虫歯とは関係ないので、様子見でも構いません。
部分的な変色や白濁は虫歯の前兆かもしれないので、進行するようなら早めに歯医者さんに行きましょう。
Q5)親の歯並びが悪く、子供も悪くならないか心配。予防方法や行うと良いことを教えてほしい。
A5)歯並びは遺伝することが多いので、注意は必要だと思います。
大人の歯が生え始める6歳ごろ、気になることがあれば矯正医に相談してみましょう。
それより低い年齢でできる有効な予防法はほとんどありません。
Q6)歯医者で歯石がたまりやすいと言われた。たまりにくくする磨き方はあるか。
A6)歯の付け根にはくびれがあります。難しいかもしれませんが、この部分を良く磨いてください。
それでも体質によっては歯石がたまりますが、歯石自体の害は小さいので、定期的に除去すれば問題ありません。
Q7)下の歯が前四本生え、一本飛ばして奥歯が生えてきた。歯並びに問題ないか。歯は生えてくるか。
A7)一般的な生え方です。乳犬歯は遅れて生えてくることが多いので、今のところ心配ありません。
Q8)子供が使う歯ブラシと大人が使う仕上げ用歯ブラシは分けたほうが良いか。
A8)使用する歯ブラシによって虫歯予防効果が変わることはありません。やりやすい方法を選択してください。