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2020年12月31日木曜日

2020年振り返りと、今後の発信について

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

この書き出しを使うのも久しぶりな気がします(笑) 最近はアゴラに掲載させていただくことも多く、ブログだけでの記事も少なかったですから…。

というわけで現在悩んでいるのは、検索順位の低下です!

なんでや! こんな良い書き手が週2ペースで1000文字近く書いてるん。検索順位上がるにきまってるやん!

と思うかもしれませんが、冷酷無比な恐怖のロボット・グーグルクローラーの判定によると、「アゴラの文章コピーしてる弱小サイト」ということのようです。

いや著者俺だから!!!

といっても、何人ものブロガーを絶望の淵に叩き落としてきた血も涙もないグーグルクローラーは表情一つ変えることなく刑を執行します。副業ライター稼業(←稼げてない)の世知辛さが身に沁みますな。


そういうことでSEOの改善策として、アゴラと被っている記事は特に思い入れの強いものを除いて削除してしまうつもりです。

過去記事はアゴラの著者アーカイブページに残るので、そちらからご確認ください。



そして検索順位を上げるために、ブログ独自記事を強化していきます。

これはアゴラやあたらしい党ややリバ通信のおかげ様ですが、ツイッターフォロワーも500人を超えたので、まぁまぁ自力での拡散ができるようになったかなと思うところもあります。

本業(歯医者)的には検索順位でさがってもグーグルマップで強いので、ありがたいことに客足に影響はないのですが、信頼できる歯科情報を発信するセルフメディアとして、このブログを育てたいと考えています。

以下、今後の発信計画。



1、ブログ週2更新ペースを堅持。更新は月曜・木曜とする。

2、ブログ限定での歯科記事を強化し、SEOの主力とする。論文に基づかない体験談、あるいは専門性が高く一般向けにそぐわないものを取り扱う。

3、一般向けメディアにて月1程度、論文をベースとした一般向け医療情報を発信する。「掲載のご報告」としてブログ1回分の更新とする。

4、適宜一般向けメディアにて公衆衛生観点・社会保障テーマにおける時事ネタ・政治ネタを投稿していく。これは随時行い、ブログ1回分の更新とする。

5、Youtubeはボチボチがんばる。



ということで今後の課題も見えてきたわけですが、なんだかんだ1年続けてきたこともあって、先日ようやくアドセンス引き落とし額に到達しましたー! やったー!

調べればわかると思いましがマヂはした金なので、景気よくウマイ飯食うか楽器買って使っちゃう予定です(笑)

2020年12月30日水曜日

維新のベーシックインカム案を読み解く。その1:論点整理

日本維新の会は参議院選後より税と社会保障と雇用の三位一体改革と題して、ベーシックインカムを用いたパッケージ政策の策定を進めてきました。そのアウトラインがついに、取りまとめ役である藤田文武衆議院議員により公表されました。


「説明が難しい」として動画は前後編の60分もあり、さらにマトメ版や、主婦向け版などの続編が企画されているようです。確かに個別政策の意図については詳細な説明が必要なので、ぜひ動画を参照していただきたいと思います。

ここではどのような方向性が示されたか抽出、整理することで、時間の無い方にも関心を持ち、社会保障に関する議論への参加を促したいと思います。


まず改革の意図として、貯蓄や内部留保による停滞から、将来への投資とチャレンジによる流動性に変えることで、経済成長政策・少子化対策・行政効率化を同時に達成する。そのためにフローからストックへの課税へ移行していくということでした。

これは今の利益を重視する自民党に対し、将来の利益を重視して制度により社会の変化を目指す、維新の独自色を出したいというものでした。

以下概算金額とともに項目別に整理していきます。解説は主に筆者。


1,ベーシックインカムとして全国民一律で6~7万円を毎月給付する。基礎年金・生活扶助・児童手当はBIに移行する。

(解説)
基礎年金:現行6.5万円。維新案では報酬比例部分は維持。現状年間10兆円程度の不足分を国庫から補填している。
報酬比例部分:いわゆる年金二階建て部分。年金を多く払ったほうが戻りも大きい、という部分。以前よりこの部分の切り離し、民営化に関する議論は行われている。
生活扶助:現行7万円。維新案では住宅扶助は別に支給する。
児童手当:現行1.5万円。維新案では少子化対策として、子供が多い方が得であると明確に打ち出すものとしている。


2,高齢者にはさらに一律2万円程度の上乗せをする。これはクローバック制度として、支給額のうち死後残った分のは国庫に返納する。

(解説)
クローバック制度:支給は一律であるが、年金の報酬比例部分が多い場合や、資産があればその分を死後に回収されることになる。早期贈与のインセンティブになるか。低所得かつ労働できない高齢者は支給分を使い切ることになるので返済不要で、単純に扶助となる。


3,医療・介護・障碍・教育などの現物支給サービスは本改革案には含めない

(解説)
使い込みや浪費対策として直接給付が向いているものもある。年金に並ぶ最大の国庫支出先である医療や、制度疲弊の目立つ教育に関する改革は必要だが、別に議論するということだろう。


4,フロー課税である消費税・所得税・法人税は減税。所得税は税額控除を廃止し、10%程度のフラットタックスとし、分離課税を廃止して総合課税とする。法人税は租税特別措置を廃止する。

(解説)
税額控除:現状は社会保険料は課税対象額から減じられている。税額控除を廃すると税は増えるが、その分はBIを課税対象とすることで相殺されるというコンセプト。制度の簡素化にはなるだろう。ただし、控除には生命保険・火災保険加入促進の側面もある。この部分は動画内では論じられなかった。扶養家族に対する基礎控除に関する言及もなし。
フラットタックス:現状は累進課税といって所得が上がるほど課税割合が増える。フラットタックスはこれを一律の割合にすることで簡素化する。動画内では示されなかったが、詳細な試算を示した上で賛否を論じたい。
分離課税・総合課税:所得の種類によって課税割合が変わるのが分離課税。一般的に累進課税より優遇されるため、富裕層は分離課税の意図に従って投資などが促進される。総合課税は所得の総額に対する課税で、簡素化につながる。
租税特別措置:多岐にわたる項目を含む膨大で複雑な制度。主に経済活動促進の上での税制上の優遇を目的に設定されているが、既に形骸化・既得権益化しているものもある。廃止によって増税にはなるが、税の簡素化と公平性は促進される。


5,ストック課税強化として、固定資産税を現行1.4% → 2%へ増税資産課税として1%程度を新設相続税や贈与税は縮小、あるいは廃止

(解説)
資産課税:維新案では所有コストを増加させることでフロー化を狙うということ。単に財源としてだけでなく、より利回りの高い資産運用にたいするインセンティブをつける。このことで資産価値自体もあがれば、資産家によっても得があると動画内では解説をしていた。1%の資産課税で36兆円の税収となる見通し。
相続税:現状2兆円の税収。捕捉が難しく、節税によって相続金の2~4%分の納税しかされていない。


全体として、年金再編・少子化対策・世代間格差是正の側面が強い案かと感じました。

維新の資産によるとBIを達成するには100兆円程度が必要であり、藤田氏は「財源を示さないまま声高にBIを訴えるのは無責任だ」と話しています。所得税のフラット課税・総合課税による増収、生活扶助・児童手当の予算2兆円、年金国庫負担分10兆円、資産課税36兆円などを財源にあてる考えのようです。

さらに、これはこれまでの給付付き税額控除に基づく議論をプランA、BIに基づく本案はプランBであり、今後も議論の中でブラッシュアップしていきたいと言っておりました。

藤田氏はツイッターで直接意見していいと懐の広さを示したので、何か改良案や、問題点があるようなら、ぜひ藤田文武氏にツイッターで直接意見を送っていただければと思います。


次回は既出の試算との比較や、各種金額の裏どりをしていき、批判的吟味をしていきたいと思います。

2020年12月26日土曜日

医療崩壊は医師の怠慢か(2) 緻密な連携と患者の期待

(承前)医療崩壊は医師の怠慢(1) 現場と経営者の乖離 

医療緊急事態宣言の原因は、医療体制の柔軟性の無さだと書きましたが、しかし実際にやろうとすると簡単ではありません。

24時間シフト体制を組み、それぞれの仕事を十分に理解したスタッフが、役割分担と密な連携をする。スタッフそれぞれは日頃よりコミュニケーションを深めていて、わずかなほころびが感染症対策全体の瓦解に繋がる。そういう現場です。

そこに頭数だけ揃えて看護師や医師が来ても困る、というのが正直なところだと思います。皆さんも自分たちの職場の連携体制が強固であればあるほど、一度に大勢の新人を押し付けられてもかえって職務に支障を来すという懸念を実感できるのではないかと思います。


しかし、上記は平時の医療体制であって、緊急時は感染症対策チームのスタッフがリーダーシップをとって体制を拡大し、落ち着いたら縮小する、ということをしなくてはなりません。

残念ながら緊急時に体制を拡大するという想定はこれまでされてきておらず、援軍の戦力化に関するノウハウは全くありません。今までは固定した人員の中で、より強固で厳密な体制を作っていくことだけを追求してきました。これが日本における医療崩壊の実体です。


その背景には2つあります。

1つは日本の人材流動化が乏しいこと。長期雇用関係におけるスキル醸成を前提にシステムが組まれ、一つ一つのオペレーションに対する要求度が高いことです。

私などのように地元のクリニック経営であれば、夕方に出勤する高校生のアルバイトを即戦力にするために常日頃から準備をしています。

しかし感染症病棟というのはもともと高いスキルをもった精鋭部隊なので、そこにどんな経歴かもわからない医師や看護師が来ても、任せて良い業務は極めて限定的だ、と感じることでしょう。

例えば今後パンデミックが起こった場合、病院等施設が離職中の看護職員を雇用しない理由として、「潜在看護職員の知識・技術の程度がわからない」を53.9%、「感染拡大下では教育・研修の 余裕がない」を46.9%があげています。

(参考)看護職員の新型コロナウイルス感染症対応に関する実態調査」 ー 日本看護協会(2020年12月22日)


もう1つは国民からの医師への期待です。

医療は完璧に遂行されて当たり前のもの。感染の漏洩などあってはならない不祥事で、そのような医療施設は廃業して当然、関わった医師はその汚名を永久に被るもの。

このように思われては、「新人を入れて手伝ってもらおう」という余裕はありません。世の中がセンシティブになっている新型コロナに関してはなおさらです。

医師もそれはよくわかっていて、「そのような医療を患者は望んでいるのか」と問い返してきます。

結果、精鋭部隊の孤軍奮闘が続き、それが医療緊急事態宣言に繋がった、ということは国民の側も認識しなくてはなりません。


以上2点踏まえた上で、医療体制の柔軟化は今後に備えて考え、制度化していく必要があるのではないでしょうか。

応援にきたボランティアに何をやらせるか、コアスタッフはどこに配置すればよいか。何人までのボランティア受け入れなら、医療クオリティを維持できるか。ボランティアが引き起こした医療事故の責任はだれがとるのか。

医院内のリスト作りだけでなく、法整備や、国民の理解も必要なテーマではないかと考えております。

医療崩壊は医師の怠慢か(1) 現場と経営者の乖離

医師会会長が「医療緊急事態宣言」をしたことに関して、医療に対する大きな批判が巻き起こっています。

これまでは医療問題に関しては厚労省が矢面に立ち、医師会にスポットライトが当たることはありませんでした。コロナ問題は半世紀以上誰も疑うことのなかった、国民皆保険制度に基づく手厚い医療制度に関する問題を浮き上がらせたのではないでしょうか。




これは既に様々なメディアから指摘されている通り、医療体制の柔軟性不足によるものですが、医師がサボタージュしているというという世論が形成されてしまうと、せっかくの医療改革の機運があらぬ方向に向かってしまうのではないかと危惧しています。

医師といっても勤務医・開業医・病院経営で見えている世界が違います。それぞれの事情と、どのようなボトルネックがあるかを解説していきたいと思います。


現場医師からたびたび聞こえてくるのは、「医師会の発信は医師の総意ではない」という距離感です。実際に医師会の加入率は6割程度で、医療最前線を担当している若手医師の加入率はさらに低くなっています。

医療の高度複雑化・大規模化に伴い2000年代には勤務医の医師会加入率も多くなってきていますが、医師会の発信は未だに開業医・病院経営寄りのものになっているようです。




だからといって医師会と勤務医は無関係だと言えるでしょうか。医師会は厚労省と独占的に交渉することができ、医療制度や診療報酬について強い交渉権を持っています。

殆どの医療政策を医師会はリードしており、その枠組みの中で勤務医をはじめとする全ての医師は活動しています。

確かに勤務医の肌感覚的には医師会とは無関係であり、むしろ自分たちをないがしろにしているとも感じる存在だと感じていても、事実として医師の活動は医師会と厚労省の関係の中で決まっていっています。

もし勤務医たちが医師会に対し不満や異論を持つのであれば、オンライン署名活動などで意思を表明する場もあるでしょう。確かに教授の怒りを買うと病院内での出世の目は立たれてしまいますが、もともと出世コースにいない勤務医も多く、病院をクビになったとしても医師免許があれば生活に困ることはありません。

勤務医が「医師会と自分たちは別物」と発信し、ただ現場は頑張っているという事実だけを主張することには、違和感を覚えます。

(続く)

2020年12月25日金曜日

冬休みのご案内

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

中田歯科医院は12月26日(土)を年内最終診療日とします。
27日(日)は大掃除(休診)、冬季休業は28日(月)~4日(月)までとします。

新年の診療は1月5日(火)から行います。

今年一年、皆様のご信頼に深く感謝申し上げます。
来年もスタッフ一同、安心して来られる歯科医院を目指し日々努めていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

2020年12月23日水曜日

こんなに誇らしい気持ちになったことはない

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

突然ですが今日は親バカのろけ話なので、勘弁してくださいという方はブラウザバックしましょう。


さて我が家の5才になる娘がいるのですが、彼女のメンタリティが私と非常によく似ていて困っていました。

正義感が強く、周囲に流されない。

友達がふざけていると「そんなことやっちゃだめ!」と声を上げて、場をしらけさせる。

うん。友達減るよね。

自分の子供の頃とおんなじことしてて、見ていて痛々しいというか

ほんと泣ける(;;)


そういうわけで、妙なとこ遺伝させてゴメンといたたまれなく思っていたのですが。



先日、子供たちの制服をかけるハンガーがバラバラになっていたそうです。

幼稚園の先生が「誰がやったのかな」と聞くと、みんな「自分じゃない」といいあいに。

…しばらくして、我が娘が手を挙げ

「それじゃあ皆で片付ければいいじゃない! 私やる」

といって、散らかったハンガーを片付け始めたそうです!

他の子どもたちも後に続き、皆で協力してハンガーはすぐに片付いた、と幼稚園の先生が話してくれました。



お父ちゃんは感動したよ!!

その日の我が娘はヒーローだったと思う。

後日話を聞くと、いくつかのハンガーが絡まっているのをみんなで引っ張り合った結果そうなってしまったようです。だれのせいでもない、ありがちな話です。


やっかいな性格を引き継がせて申し訳ないと思っていたら、娘は立派に成長していました。

娘から素晴らしいなクリスマスプレゼントをもらえたような気がします。


明日のクリスマスプレゼントはちょっと奮発ですね。メリークリスマス!

2020年12月17日木曜日

「入れ歯を作り直してほしい」って言われても…

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

しばしばあることとして「入れ歯を作り直してほしい」という訴えはいいのですが、その後に前の入れ歯に関してアレコレお伺いすることについて、煩わしいといった雰囲気になってしまうことがあります。

おそらく「新しい入れ歯を作るんだから、前の入れ歯のことは関係ないだろう」とお考えなのだろうと思います。

あるいは、歯医者に長く来なかったのを責められている、あるいは単純に使用している入れ歯をじっくり見られるのが恥ずかしい、はたまた全く使用していない入れ歯を見て何がわかるんだ、と感じるのもよくわかります。

その上でご理解いただきたいのは、何が原因で上手くいっていないかを知ることは、新しい入れ歯を作るうえで非常に重要な情報だということです。

使い古した入れ歯でも、使わなかった入れ歯でも、私の眼には情報の宝庫に見えています。それらを踏まえて、改善点を盛り込んだ入れ歯をデザインしていけば、情報ゼロ・徒手空拳で型採りするより、一段階上の治療ができると考えております。

2020年12月10日木曜日

Gotoと因果関係? マスコミと政治家にお願いしたい科学論文の読み方

問題視されている「野党合同ヒアリング」にて、Gotoトラベルと感染拡大に関する学術論文の解釈を巡る議論が巻き起こっています。これはマスコミの先行報道において東大からの研究というブランドパワーによって、Gotoとの関係ありきの論調が強まったのが発端だと感じます。

論文の肝心な部分を十分に把握していなかった厚労省官僚にも思うところはありますが、それ以上に論文を読んだにも関わらず著者の意図を理解しなかった立民党 原口一博議員には残念です。

今回著者も指摘し、注目の集まるLimitationに関して、専門知識抜きで理解できるよう解説したいと思います。


科学分野における学術論文は一定の書式で成り立っています。読み慣れると欲しい情報がどこに書いてあるかわかるので、効率的に情報収集ができます。

この中でLimitationは、Discussion(考察)部分にあります。考察の書き方を大枠でまとめると以下のようになります。

1、研究の新規性と必要性
2、実験内容の解釈
3、既存研究に対する論文の位置づけ
4、この論文の問題点と限界(Limitation
5、結論

この中で結論は論文のクライマックスとして、それらしい書き出しが必ずあります。

一方でLimitationに関して目立つ書き出しはありませんが、結論部分の直前に位置している場合が一般的です。

科学情報を集めるためには多くの論文を並列して比較する必要があり、個々の論文の精査はその次の段階です。時間に限りのある中で読む場合、考察の大部分を占める1と2よりも、コンパクトに論文の価値と限界(Limitation)がまとまっている3と4を読むのも有効な手段です。


普段私たち専門家がニュースで違和感のある情報が流れてきた場合、やはりLimitation部分を確認します。「マスコミは結論部分だけでなく、Limitation部分も言及してほしい」という意見はこれまで何度もあがってきました。

コロナ対策に追われて時間のない厚労省官僚も、とりあえず論文のLimitationは確認しておくと建設的な議論が進むかもしれません。