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2020年6月18日木曜日

モチベーションインタビューとナラティブベースドメディシン

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。


だいぶ前の話ですが、出しそびれてた記事公開します。(ちょっと忙しくて書けなかった)

年末の歯周病学の勉強会は、我が師である沼部教授の一期生、二期生の非常勤講師講演でした。


(ちなみに自分、三期生です)(←謎アピ)


まず一期生の佐藤宏和さんは医師に対して歯周病と全身疾患に関して講演した話題や、継続新規(医院継承)の話題など興味深かったです。


とくに継続新規は現在手続きをするために医院システムの見直しなどをしているため、めっちゃタイムリーでした。



その2週間後には二期生の加藤智崇さんの講演でした。

テーマはモチベーティブインタビューに関してで、…すごかったです。


何がすごいって一言一言論拠文献がしめされたり、あるシステマティックレビューを批判するためにフォレストプロットから問題点を抽出して原著論文をつついたり、死角がなさすぎる!

しかも(現役被っている先輩だし)無茶振りの質問しても、常に良い返しをする安定感。


これ金とれる水準じゃないですか(笑)


興味を感じ覚えておきたい参考文献



口腔衛生指導から30日後、その指示を完全に遵守したものはわずか11%
Johansson et.al J Clin Periodontol 1984


3年後には、中等度の歯周炎患者の半数以上が、最初に指示されたような歯間部の清掃を行っていない
Srtack et.al Dent Hyg 1980


受診の追加による口腔衛生習慣の強化は、無効である単回・複数回の口腔衛生指導に対して少しは改善
しかし、患者のアドヒアランスが低いとSPTなど歯周治療の継続的な来院は中断される
専門科による維持管理が欠如し歯周病が再発する
Wilson et.al 1984; Demetriou et.al 1995; Schuz et.al 2006



既にブログでも重ねて申し上げてきましたが、ブラッシングを改善させ維持するのには多大な努力が必要です。

「もっと歯をみがきましょう」というスローガンは、歯磨きをしない(できない・できていない)患者さんに対してほとんど意味がありません。


そこに対して、私は「虫歯はブラッシングの改善を期待せずフッ素で予防する」「歯周病はブラッシングを徹底させるので半永久的な定期受診を指示する」という2極点を提示しました。

一方で加藤さんはモチベーティブインタビューや、ITを駆使して定着率の底上げをしようという解決法を目指していました。


私が「現状現場でできる最適解」を模索しているときに、加藤さんは「未来に向けたブレイクスルー」を目指していたということです。これは大変勉強になり、刺激になりました。

もちろんスタンスの違いによる目指す極点の違いなので、私がこれまで発信してきたことは間違えていないと確信していますが、常に新しいことを学ばないと、いつの間にか「古い知識のまま」「もっと効率的な方法」を見逃してしまうな、と襟をたださねばなりませんでした。



ドクター加藤智崇、布教したいとおもいました。

行動変容、ナラティブベースドメディシン、モチベーティブインタビュー、オーラルフレイルなどの講演を聞きたいかた、ご連絡いただければセッティングいたします!(ダイマ)