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2021年4月23日金曜日

正しい情報はどうしても後手になるもどかしさ

医療に関するデマ無数にあります。それこそ思い付きでいくらでもいえて、それが潜在的な人間の不安に刺さると拡大して収集がつかなくなります。

ワクチン行政やフッ素毒性などのデマで、これまで多くの医療が歪められ、そのたびに余分な社会的コストが必要になりました。


このような発信があったとしても、初めて目にする類の情報はデマか最新の知見か、我々にも判別がつきません。「シダキュアと抜歯」の件も初耳でしたが、調べてみて一程度の注意喚起する必要性を感じ、各方面に発信をしました。

今回のピルに関しては簡単に調べてもやはり論文などは見当たらず、デマであるだろうと考えています。しかし「デマはやめろ」と強い言葉で批判するためには、十分な確信が足りていません。

正しい医療情報を提供したい側は常に検証が必要手数も少なく、後手に回りがちです。

一方のデマは人の心の弱さに親和性があり、センセーショナルな内容の場合はメディアに乗って急速に拡散されていきます。

このような情報の汚染形式を、WHOはインフォデミックと表現しています。



デマを病原体にみたてると、人間の潜在的不安というレセプターに合致すると感染成立します。

このとき感染初期で既に反論が充実されている、既知のデマなら対応しやすいです。感染初期のうちに病原体をやっつけることができれば安心です。WHOも初期消火が重要であると指摘しています。

しかし、今回のような未知のデマはやっかいです。専門家たちも答えをしらないため初動が遅れ、情報汚染は拡大していきます。


ここでインフォデミックの概念に基づきデマを病原体に見立てると、我々の体は適切な対応法を示唆しています。

未知の病原体が体内に進入し、それが一時免疫で対応できない場合、抗原提示がされるのをご存知だと思います。

発見者がいちはやくSNSで報告し、それを広めていく。そして対応できるB細胞となる専門家まで届けるのです。

該当分野の専門家は速やかに見解を体系的にまとめる必要があります。これが抗体にあたります。

あとはその見解がシェアされ、医療関係者が広く実社会・ネット上を問わず広めていくことで、ある程度後手に回ったとしても十分な対応ができるでしょう。

この過程で参加者全員が記憶細胞になれるので、次に同じデマがきてもすぐに潰せます

わたしはSNSネットワークがインフォデミックを拡大させるなら、医療関係者のネットワークが免疫になるのではと考えています。