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2021年4月8日木曜日

哺乳瓶にはミルクと湯ざまし以外入れません

最近哺乳瓶の誤った使用が原因で虫歯になるケースを多く見かけます。

我々はボトルカリエスといいますが、哺乳瓶で寝ている最中までジュースやスポーツドリンクなど、虫歯リスクの高い飲み物を入れることで発症する、前歯を中心とした虫歯です。

まだ虫歯の少ないはずの2歳や3歳から、歯がとろけてしまったような重症の虫歯になってしまうことから、子供の見た目への影響は大きなものとなります。
これは歯みがきとは別の問題なので、まずは正しい知識に基づいて哺乳瓶に虫歯になりやすい飲み物を入れるのをやめるのが重要です。

既に習慣化してしまっている子供に関しては今さらではありますが、医師などから指示がない限り、哺乳瓶にミルクと湯ざまし以外入れることはありません

ミルクにも幾分か虫歯になりやすい要素はありますが、ジュースやスポーツドリンクとは段違いです。私の子供たち2人とも、夜間のミルクは特に気にしませんでしたが、虫歯にはなりませんでした。

ボトルカリエスのお子さんの状況を聴取すると、「ジュースやスポーツドリンク」を「夜間に」「哺乳瓶の使用年齢を超えて」飲んでいることが特徴的です。


とはいっても保護者の方は「知らなかった」のだから、仕方のないことだと思います。これは歯医者がもっともっと情報発信をしていかないといけないのだと痛感するところでもあります。

夜間に虫歯リスクの高い飲み物を哺乳瓶で与えてしまう理由は、これまで聴取してきた中で大きく3つの要素があると感じています。


1,夜間の脱水を心配して

主にスポーツドリンクの販促として夜間の脱水を取り上げることがありますが、夜間の脱水対策であれば水が最適ですこれは子供も老人も同じです。寝ている間の汗で電解質不足になるリスクはほとんどなく、電解質はミルクや離乳食で十分確保できているからです。


もちろん夜泣き時に水ではなくミルクを与えても構いません。厳密にいうとそのあと口の中を拭ったほうが良い、などと言われていますが、そもそもミルクではあまり虫歯にならないので、極端に卒乳が遅れている場合を除き、心がけ程度で十分かと思います。

夜中にミルクを作るのがひと手間で、スポーツドリンクに頼ってしまう、という方もおられると思いますが、今は常温保存ですぐ使用できる調乳済みの缶ミルクがあります。夜泣きで消耗しているかたは効果的に使用していただければと思います。



2,こどもの夜泣きが止まるから

2歳が近づいても哺乳瓶を使っているかたの多くは、このような理由があります。これは子供が既に哺乳瓶の乳首の柔らかさと、ジュースやスポーツドリンクによる高い糖分に対して習慣化してしまっており、離脱が難しい状況になっています。

哺乳瓶を使用しなくなれば育児の手間はぐっと減るし、台所も片付くので、頑張って哺乳瓶から卒業してもらいたいところではあります。

確かにジュースを飲ましておけば夜泣きはとまるかもしれませんが、歯の健康を損ねるだけでなく、糖分に依存した悪い生活習慣が身につくことになりかねません。

同居の方に配慮して早く泣き止ませないと、という気持ちも強いかもしれませんが、本当に水分が足りないなら水かミルクでも飲みます。一通りの泣きやませの努力をしたあとは、わりきって泣き疲れて寝るのを待つしかない、と考えるのも時として必要かもしれません。


3,ジュースを飲ませないのは子供がかわいそう

このように考える方は意外と多くいらっしゃいますが、「ジュースの味を知らなければ求めることもない」し、「夜飲むものではないと教えていく」のは必要ではないでしょうか。

そもそも子供に対しジュースやスポーツドリンクを与える必要はなく、我が家では3歳ごろまで子供たちはジュースを飲まずに成長しました。栄養はミルクやパウチの離乳食で十分接種できます。ジュースを取らなければ成長に悪影響する、ということはありません。

ただしこれは育児方針にも関わることなので、どうしても子供にジュースを飲ませたいのであれば午前中など、しばらく起きていそうな時間帯が良いと思います。唾液の分泌量も多く、寝る前に口を拭えば十分虫歯予防できるからです。


まとめ

虫歯予防は歯みがきだけでなく、糖分を摂取する頻度やタイミングが大きく関わってくるという論文もあります。

知っているか知っていないかだけで予防できる部分はあるので、様々な媒体で情報発信していく必要性を感じます。