歯科分野でも会員数が多い歯周病学会から、「歯科衛生士の浸潤麻酔を支援し、教育の機会を提供する」という、これまでの常識を覆す見解が発表されました。
歯科衛生士が歯科麻酔をして良いのかというテーマは以前より議論されていました。昨年には日本歯科医学振興機構が主催する衛生士に対する局所麻酔の講習会に、多くの歯医者が賛否両論を示しました。
どちらかというと知名度としては限定的な日本歯科医学振興機構の「独断専行」と捉える向きが多く、当時の評価としては「炎上した」という表現がちかいかもしれません。
しかし高い知名度と会員数を誇り、これまでもアカデミックな立場から歯科医療を牽引してきた日本歯周病学会から同様の発信が行われたインパクトは大きく、多くの歯医者が成り行きを見守っているという状況です。
このように歯周病学会が歯科衛生士の業務拡大に積極的なのは、背景として学会認定衛生士などを育ててきた背景があります。
ご存知のとおり歯周病治療では歯科衛生士は大きな役割を果たします。歯周病学会は衛生士向けの講演会も多数持っていますし、そのようにしっかり育てた衛生士に、歯石取りでも必要になってくる局所麻酔も任せていきたいという流れは自然だと感じます。
(次回、局所麻酔の手技の難易度。次々回、無視できない通法リスク)