歯みがきは何分くらいしたほうがいいか、というのは歯周病の有無にかかわらず非常に多くの患者さんから聞かれます。
これは簡単なようで難しい質問で、多くの歯医者さんを悩ませると思います。
そんな時私はこう答えています。
「PCRの結果が全てなので、時間が長いか短いか関係ありません。ちょうど学校のテスト勉強と同じで、どんな方法でやったか、何時間やったかは関係ないんです」
それから
「テストの前に準備をするように、次回測定前には十分な歯磨きをしてください。それでも磨き残すのはどこかが分かる、その気づきが大事です」
と伝えます。
わたしが本気でプラークコントロールの改善について指導するときは必ずPCR(O'Learyのプラークコントロールレコード)を測定するのはそれが理由です。
PCRのないブラッシング指導の効果は限定的だとも考えています。
患者さんに対してはその日のスコアがいくつかではなく、変化量を重視して伝えます。
特に前回よりも悪化していた場合、事実としてきちんと伝えます。
一方で十分なPCRのスコアが取れなければ治療開始しない、などということは私はしません。歯ブラシの改善に限界がある人がいることは十分わかっていますので、そのリスクを承知の上でどこにゴールを設定するか、というのが臨床であると考えています。