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2022年5月26日木曜日

ゴム製のやわらかい歯間ブラシへの変更にチョット待った

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

ゴム製の歯間ブラシ、患者さんたちからのニーズは本当に大きいと実感します。

私自身もSSサイズの歯間ブラシを部分的に使用していますが、やはり通過させるときの違和感はそれなりにあるものです。使用していると日によっては通りづらく感じることもあるので、ソフトな使用感のゴム製歯ブラシに関心を持つ気持ちはよくわかります

もちろん口腔衛生状態にあまり問題のない方が自主的な健康法として使用するのを止めるつもりはありません。健康が維持できているならば何を使用しても良いと思います。

ただし歯科医院で歯周病の診断を受け使用する歯間ブラシのサイズが指定されている場合は、自己判断でゴム製歯間ブラシに切り替えないでください

もし今使っている歯間ブラシに使いにくさを感じるならば、歯肉の状態が変化してサイズがあっていないか、使用方法が正しくない可能性があります。それならばまずは歯周病治療を担当している歯科医師か歯科衛生士にそのことをご相談ください。

我々が気にしているのはゴム製歯間ブラシを使用することでプラークコントロールの水準が低下しないかです。それが問題なければゴム製歯間ブラシを含め幅広い道具の使用は検討可能とはおもいますが、判定するには一定期間使用後の口腔衛生状態の前後比較が必要です。

これらは健康を維持するうえで専門家の適切な判断を要する事項と言えます。
というのも、そもそもゴム製歯間ブラシにはMサイズ以上が存在しないのが苦しいところです。

商品にはM~LLと書いてありますが、我々専門家の感覚からするとS~Mといったサイズ感に見えます。

歯周病治療が必要な患者さんはLサイズ以上の歯間ブラシが必要になっていることが多く、ゴム製歯間ブラシではサイズ的に対応できない場合が多いのが実態です。

歯周病治療においては歯の間の食べかすをとるのではなく、歯と歯の間の歯垢を除去する必要があります。単に歯間部を道具が通過したというのでは意味がなく、それぞれの歯の面に適切な圧力がかかって歯に付着したバイオフィルム(水アカのような存在)を破壊しなければなりません。

だから歯間ブラシのサイズ選びには専門家によるアドバイスが重要になってきます。


もう一つの論点としてゴム製歯間ブラシ、定期的に試供品が歯科医院に送られてくるんですよね。

捨てるのも忍びないし受付において配ってしまおうという歯科医院が多いと思うのですが、これは大変マーケティングとして賢いと思います。かかりつけの歯科医院がお墨付けをした推奨品という印象を患者さんに与えるからです。

歯科医院の受付に置くものについて患者さんたちからそのようにみられていると自覚し、本当に自分たちが勧めたいものに限るというのは医院の在り方を考えるうえで重要かと思います。