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2020年4月2日木曜日

非常勤歯科医師のご退職、歯周病診療体制の構築について

こんにちは! 東川口の歯医者 中田智之です。

3月いっぱいで25年の長きにわたり、中田歯科医院の土曜診療をささえてくださった非常歯科医が、還暦を機にということで退職となりました。

歯周病専門医であり実力を鑑みても、中田歯科医院にはもったいないほどの歯科医師でした。

歯周病治療だけではなく様々な勉強をさせていただき、いくら感謝しても足りないと感じています。



今後中田歯科医院の歯周病治療は、歯周病学会認定医である私、中田智之が継続していきます。



さてこの機に過去を振り返ると、歯周病治療のクリニックへの導入の難しさというのを思い起こしました。

歯周病治療というのは1980年代に確立し、国内で普及したのはそれ以降です。

父である現院長の歯科大在学中には歯周病学という学科は存在せず、父の卒業後数年して歯周病学講座創立、その初代大学院生が私の指導教授です。



歯周病治療というのは本格的・専門的に実施しようとすると、患者さんとの長期的な関わりが前提になってきます。そのため歯科医院全体…衛生士やアポイント担当者を含めた歯周病治療への理解が重要と考えています。



口腔外科などに関しては単発の処置が多いので、非常勤専門家の専門家であっても活躍することができます。

しかし歯周病に関しては長期的に来院するので、患者さんとのアポイントがとりやすいかどうかや、緊急で代わりのドクターが入ったあとに次回来院をどうするか等、さまざまな配慮が必要になります。

非常勤という限られた日数、スタッフに指示を出しにくい立場でイニシアチブをとれるか、というと難しい課題です。


それは私も非常勤で努めた経験から、感じることでした。



結論として、専門的歯周病治療をしていくためには医院単位でのシステム作りが必要だというのが私の意見です。

そうなると非常勤という立場では院長がどれだけ理解してくれるかという部分もあるし、スタッフに歯周病専用の対応セットをつくって、1国2制度のようにするというのもハードルが高いです。



結局は専門医が院長になってシステムごと作るのが最も現実的のように感じます。

私は既存の診療体系を歯周病治療ができるようにアジャストするのにものすごく苦労しました。

医院をゼロからつくる苦労というのは大いにあると思います。しかしこういった診療システムの抜本的変更の取り組みは、いま振り返るとむしろ最初から作ったほうが楽だったかもしれないと感じています。その苦痛を理解し、共に乗り越えてくれた当院のスタッフは、極めて優秀だと自信をもって言えます。



さて歯周病専門治療の実現がクリニック単位で、マルチディシプリナリーな対応を地域単位で実現するモデルを想定すると、歯科歯科連携のテーマになってきます。

患者と半永久的につきあっていく歯周病治療において、患者をもとの医院にお戻しするのはいつになるのか、再発した際の対応はだれがするのか…。難しいテーマだなと感じています。