今週ツイッターで標題のテーマが話題になりましたので、私なりに論考してみたいと思います。
まず最初に、最新のむし歯予防法については下記画像をご参照ください。
このむし歯予防法の優れているところは、大昔の「ひたすらみがけ」的なむし歯予防法よりも、ズボラでもなんでも効果があるところです。
私、自他ともにみとめる大変なめんどくさがりですが、めんどくさいと思う心が人類を発展させ、仕事を効率化させると確信しています。
今日も誇りをもってめんどくさがりで生きるわたしがオススメするのだから、ほとんどの人は「やることが減って楽になった」と感じるはずです。
さて前置き(むしろ本題)はここまでにして、本筋にもどりましょう。
この歯みがき法は20年前には欧米で採用され効果を挙げていましたが、日本での普及は遅れました。
陰謀論的な裏話はあんまり詳しくないですが、ともかく日本の「権威」はアップデートが遅く、普及に積極的とは言えませんでした。
2,学校教育で重要視されていない
むし歯は予防が有効な疾患なので、フッ化物ハミガキコを含む口腔衛生指導は重要なのですが、学校教育でそれを強く意識づける学習や実習はされていません。
その理由は、この分野を担当する歯科衛生学の守備範囲が広すぎるからです。
歯科衛生学には制度や法規までも含まれるため、労働環境と関連した水質や騒音に関してや、介護制度に関する知識まで教えなくてはなりません。
実習もそういった内容が含まれるため、学生の意識づけとしてはどうしても小さくなります。
対策としては、むし歯学(カリオロジー)を独立させるか、保存修復の範囲でしっかりと取り扱うべきかと思います。
3,臨床現場で普及が遅れている
また病院実習や臨床研修においても、上述のとおり「権威」が積極的ではなかったため、そういった口腔衛生指導にたいして指導的立場の歯科医の重要性の認識が不十分だと感じています。
上述のようなアカデミーに関係する歯科医ですらそうなので、卒後に知識のアップデートを怠っている歯科医はなおさらです。
さらに具体的に言えば、フッ化物でむし歯予防してもそれは診療報酬(売上)にほとんど関係せず、削って埋めたほうがお金になるという現実もあります。
これは政府が一元的に価格決定をしており、どういうサービスに対してどれだけの対価を求めるか、現場で決めることができないために生じる制度バグです。
わたしは削って埋める「切削介入」も、フッ化物でリスクのある初期虫歯の進行を防ぎ経過を追う「非切削介入」も、同じだけの価値があるとおもうのですが。