これまで学会の企業ブースでオーラルB販売員に言い続けてきた成果か(!?)
ついに歯垢除去率最強のアングルタイプ歯ブラシ、クロスアクションが国内販売になりました!!
(写真はプレスリリースより引用、コンパクトは縦方向に小さいです)
以前から複数の文献でアングルタイプの歯垢除去効果が高いことは示されていました。
これは日本歯科医師会公式動画も出している高柳篤史先生も言及していたことで、衛生学界隈では良く知られたことであるそうです。
文献のリンクは下記埋め込みツイートより。
この論文では歯垢除去率はangleタイプの方がフラットな歯ブラシより良さそうって感じですねぇ。
— akina (@nakixa) January 14, 2021
リセッションの観点からの評価はなさそうでした。
歯ブラシの硬さと同じで、歯垢除去力が上がるけど歯肉へダメージがあるだと困る。
結果の一部を図示してみた。ヒゲは95%CI
プラークスコア法別 https://t.co/fe5gESk5l8 pic.twitter.com/5hcZxvkyn7
注意すべき部分は、歯垢除去効果が高いことは示されているものの、それが虫歯予防や歯周病予防に繋がったという結果はないということです。
それをどう捉えるかというと、使用する歯ブラシによって歯みがきの総合時間や当て方などが変化するため、最終的には歯ブラシの性能よりも個々人の技能・意識のほうが虫歯・歯周病予防の結果につながるということかと思います。
例えば、私自身宿泊先などで使いづらい歯ブラシが置いてあれば、十分に歯みがきできたと感じるまでの時間はおのずと長くなります。
プラーク除去効果が高い歯ブラシであれば、私のように(プロだから)技能・意識を備えている人が使用すると、十分に歯みがきできたと感じるまでの時間を短縮できる可能性があります。結果が同じであれば所要時間は短いにこしたことはありません。時は金なり。
しかしこのアングルタイプ、メーカーが特許を持っているのか、オーラルBという会社以外では販売されません。電動歯ブラシのクロスアクションは日本でも市販されていますが、手用ブラシを入手するには海外直輸入するしかありませんでした。
当時10本セットで8000円という大枚をはたいて入手してなかなか良かったので、日本での市販をメーカー(の販売員)に要請していたということです。コストコで半額以下だったという情報もあり。
今回日本で発売されたのは「コンパクト」だそうで、世界に比べて不自然に小さい歯ブラシが好きな日本市場向けにローカライズしてきたなという印象です。
またただ小さくしただけでなく、海外版に比べて初回使用時の毛先の触感がマイルドになったと感じました。
これは一本一本の毛先が丸められているのだろうと感じました。毛先の形態が丸い方が、直角に切断した場合よりもマイルドな触感になります。毛自体をやわらかくすると歯垢除去効果が大幅に低下しますが、毛先を丸めると歯垢除去効果を維持したまま、歯肉の負担を減らすことができます。
海外版のような単に直角に切断しただけの歯ブラシは、使用しているうちに角が擦り減ってマイルドになります。下ろし立ての歯ブラシは痛いと感じる方はこういう観点で歯ブラシを選ぶと良いと思います。
こういう細かい芸は日本ならでは、オーラルBはしっかりマーケティングしてるなという感想です。
■
以上のように、オーラルBが国内向けに新発売したアングルタイプ歯ブラシ クロスアクションコンパクトは、研究ベースでの高い歯垢除去効果を維持するコンセプトのまま、日本人好みにしっかりローカライズされた、完成度の高い歯ブラシだなと感じました!
歯ブラシ選びの参考にしていただければ幸いです。