新型コロナウィルスの広がりを受けて、川口歯科医師会は先週・今週の講演会をとりやめました。
演者の先生にご迷惑をおかけしたことは残念ですが、歯科医師も口腔ケアとして高齢者施設に立ち入る機会が多く、地域医療は当然のこと、組織を守るためには必要な判断だったと感じています。
また輸入が細くなっているためパラジウム価格がまたまた高騰し、金価格をどこまでもオーバーシュートしていっているなど、医院経営にもダイレクトアタックを食らっています。
参考:シュリンクフレーションでの新しい価値(例・歯科の新材料)- アゴラ
http://agora-web.jp/archives/2044144.html
医療従事者として再新情報にはアンテナをはっておかないととは思いますが、医師も含めて専門以外の分野ははっきりとはわからないのは事実です。
特に感染コントロールような広域医療に関わる医療人は貴重で、目の前の患者さんをどう救うかという臨床医学とは大きな隔たりもあります。
しかし我々の持っている医学知識は一般人より大分多いので、このような時こそPVや広告目当てのスパム・デマ情報に負けないくらい力強い発信が必要なのではないでしょうか。
自分も一次情報とりに行こうと見に行ったらやはり読みにくい…。これで国会答弁は「分かりやすい情報発信に努めています」だから、お手上げです。— 中田智之@歯学博士/歯周病認定医 (@DashNaka) February 24, 2020
厚労省は変われないので、民間で「マトメ」「解説」的なブログ記事を作るのが健全かなと。
厚労省がブロガーやとっても結局わかににくくなりそう。 https://t.co/VxDEgU58ik
ダメとはいわないけど、医療系のソースベースでやってほしい。— 中田智之@歯学博士/歯周病認定医 (@DashNaka) February 24, 2020
あとGoogle検索では医療情報は医者優遇なんで順位あげ難しいし、YouTubeではコロナ系は広告つなかい措置がされてるから、負のインセンティブはそれなりですよ、と付言します。 https://t.co/El95xyKivS
参考:新型コロナウイルス感染症について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
そこで今回はこの人ならば間違いないと私が感じてる村中璃子氏の意見をピックアップしつつ、記事をつくっていこうと思います。
まず医学的大前提として、ウィルスというのは感染拡大をやすやすと防げるものではありません。それができるなら毎年風邪やインフルエンザが蔓延しないでしょう。
コロナウィルスというのは(普通の)風邪の原因の一つとして有名で、非常にメジャーなウィルスです。風邪気味とか風邪と自覚せず今日はダルいな程度で通勤する人は多いと思いますが、この時そのひとはウィルスをまき散らしてます。
季節柄花粉症なんだか風邪なんだかわからないことも多いですし、これらの人に関して責めることはできないと思います。線引きは非常に難しいです。
それでも問題にならないのは、通常のコロナであれば大きな話題にはならないからです。
ものすごく大事な論文がNEJMに掲載されました。— 村中璃子 RIKO MURANAKA (@rikomrnk) February 21, 2020
・発症時(軽い症状でも)からウイルス量は多かった
・症状のない人でも症状のある人と同じくらいのウイルス量があった
つまり「無症状でも軽症でも感染力が強い」ということです。https://t.co/WpW3H8lgmF
それでは新型コロナに関しては、出勤するにあたって、上記のように少しでも疑わしい人はPCR検査を受ければ良いのでしょうか。個人的には、それは有効だと思いません。
検査は治療方針決定に関係するもののみ検査の妥当性があるので、現在新型コロナに仮に感染しても微熱のみでその他の症状がなければ自宅待機です。
2月17日時点の厚労省のガイドラインは下記の通り。
【速報】— 産経ニュース (@Sankei_news) February 17, 2020
受診の目安は「37・5度以上の熱が4日以上」 厚労省公表https://t.co/IQVZOeYCcY
加藤勝信厚労相は記者会見を行い、「発熱などの風邪症状がみられるときは会社や学校を休み、毎日検温をして結果を記録していただきたい」と語りました。#新型コロナウイルス#新型肺炎
上記ガイドラインに基づいて、その時点で軽傷であるならば新型コロナであろうとそれ以外の風邪であろうと、まずはゆっくり休むのが正解です。ガイドラインを満たしていないのに病院にいっても検査を断られると考えたほうが良いでしょう。
ウィルスを体に入れない、仮に感染したとしても軽傷で済ませるためには、最終的にはその人の免疫力にかかっています。
免疫力は特殊なドリンクを飲んで高めるものではありません。
十分な睡眠、十分な食事、適度なストレス発散が免疫力を高めるというのは、ストレス系の研究をしていた私も強く主張します。
家に引きこもってお笑い番組を見るのがもっとも安全です。行動しない勇気が問われています。
— 村中璃子 RIKO MURANAKA (@rikomrnk) February 17, 2020
一方でガイドラインに合致する状態、すなわち高熱が続いたり、息苦しさを感じたら迷わず病院を受診しましょう。
そのとき迅速に検査を治療を受けられるために、現在は外出を控え、必要以上の病院受診を制限しているのです。
自分や家族にその必要があると感じた時には、遠慮せず症状をはっきりと医師につたえましょう。
「衛研のキャパは限界に近い(患者が2桁数いる所はもう超えてると思う)民間の検査機関に金払ってでも委託したいところで初期に検討したが、検体の空輸を受けてくれる運送会社が無くてできなかったんだなコレが。県が民間企業に運べと強要はできない。国も無理だろうね」https://t.co/NsjeEu880J— 村中璃子 RIKO MURANAKA (@rikomrnk) February 23, 2020
たびたび指摘されますが、武漢では軽傷重症とわず大勢の患者が病院におしかけました。
ここで院内感染が生じたと思いますし、正規ベッドではなく十分に体を休める環状にないまま数日を過ごしたことにより、十分な体力を確保できずに重症化した側面があると思います。
私も赤ちゃんが生まれたばかりの頃、毎日床で寝ていたら緑膿菌とか肺炎になったことを思い出されます。
武漢の病院の映像を思い出して。— 村中璃子 RIKO MURANAKA (@rikomrnk) February 23, 2020
どんなに高い水準の医療があっても、必要な人に必要な医療が届かなければ同じことが起こります。
診療・検査の機会はリスクの高い人、本当に必要な人に譲ってください。
そうしないと、あなたが本当に医療が必要になったとき診ててもらえる病院がなくなります。
この戦略は受診ピークを後ずれさせるのが目的です。受診ピークが短期間に急激に高まると、病院はパンクします。
(厚労省HPより)
病床はそんなに簡単には拡張できず、検査にはわかることに限界があり、検査をしても入院が必要かどうかの決定はできません。
武漢では病院がパンクしたために十分な医療が提供できず、深刻化しました。その轍を踏まぬためにできることは以下です。
1、一気に感染が拡大しないように、なるべく人間同士の接触を少なくすること(外出制限)
2、ガイドラインに従って軽症の場合は自宅療養。しかし常に状態の変化に注意を払い、つよい倦怠感や呼吸困難など必要性を感じたら、ただちに受診をする。(症状に対して臨機応変の対応)
とはいえ、外出制限は経済への影響が大きい側面もあり、いつまで実施するかという問題はあります。
現時点では2週間程度という声も上がっており、気温の上昇を鑑みても妥当性はあると考えています。
引き続き、新型コロナウィルス情報は注視するとともに、歯科医院としてはガイドラインの遵守に努めたいと考えています。