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2021年1月8日金曜日

国民に求めるのにテレワークできない医療界

緊急事態宣言が発令され、テレワークで出勤者7割の削減が政府から求められました。自分のクリニックでもなにかできることはないかと考えましたが、残念ながら医療機関においてテレワークを導入するのは難しそうです。

これは新型コロナ第1波の頃検討されたオンライン初診に関して、医師会が難色を示したためです。今年3月頃には遠隔医療解禁に関して大いに盛り上がりましたが、2020年4月10日の中央社会保障医療協議会総会にてオンライン初診は「緊急事態宣言下にかかりつけ医において処方箋を書く」だけに矮小化され、急速に下火になったという経緯があります。

その処方箋にしても、薬局にFAXで送るなどといった前時代的で煩雑な手続きを求められたので、結局実施する医療機関は少なかったのではないでしょうか。





歯科遠隔初診に限って議事録を確認すると、「一度も見たこともない口腔内状態に対して診断が難しい」「電話による受診でドクターショッピングが加速する」といった懸念は、たしかにあると思います。

しかしデジタルツールを使用すれば、口腔内の視診に関してある程度できるわけですし、直接対面しても手術歴やアレルギーは受診拒否や生命保険料率増加等を恐れて隠蔽されることが多く、慎重に聴取する必要があるのは変わりません。対面であれば喝破できるなどというのは、科学的な態度でしょうか。


確かに遠隔初診を保険適応とすることについて、高いハードルを求めるのは一理あります。それでは保険外診療であればオンライン初診はかまわないのでしょうか。

医師法第20条は,「医師は,自ら診察しないで治療をし,若しくは診断書若しくは処方せんを交付してはならない(一部中略)」としています。デジタルツールによる画像による視診を「診察」に含めるかはグレーゾーンなので、行政は常に違法認定できる権限を持っています

これでは医療機関としても、デジタルツールやプラットフォームの開発としても慎重にならざるを得ません。

既にほとんど全てが保険外治療である矯正歯科の分野では、初回相談や経過チェックの部分でオンライン診療導入が進んでいますが、サービス導入が進まないのは法的なリスクを感じるからです。



次回をお楽しみに

・受診勧奨でも十分な価値

・皆保険制度による医療制度の硬直化

・デジタルツール導入医院から先行実施でも良いのでは。施設基準は既存制度にもある。

・冷あん法や食形態指導などの生活指導部分でオンライン診療を活かす余地は十分にある